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阿部のフリーキック、憲剛の安堵

2009/10/08(木)

2009年10月7日:この週末は、2人の日本代表選手の姿に目を奪われた――一人はその鮮やかなフリーキックのゆえに、もう一人は芝生を手で打ちつけてチームメートの貴重なゴールを祝福する姿によって。

最初は土曜日の埼玉スタジアム2002。古巣のジェフユナイテッドとの試合で決めた阿部勇樹(浦和)のフリーキックが脚光を浴びた。ゴールまで20メートルの距離。阿部の前には5人の壁が立ちはだかっており、壁の中央には青木、福元、巻が立っていた。
ディフェンスの壁には、しっかりと体を密着させていないために隙間があるものや、あるいは選手が目を閉じたり、ボールに首をすくめたりするものもあるが、今回のジェフの壁はしっかりと体を密着させ、ボールをブロックしようと高くジャンプしていた。
それでも阿部の蹴ったボールは壁の右上を通過し、岡本が守るゴールのニアサイドを破った。それまで岡本は一連のプレーで素晴らしいセーブを連発していたが、このキックにはわずかの差で触れることができなかった。

ジェフにとっては痛い失点だった。深井がアウェー・チームのサポータの前で先制点を決めてからわずか3分後のことであったからだ。一方のレッズは、このゴールの映像が大きなスクリーンに映し出され、さまざまなアングルの映像が再生されるたびに感嘆の声がどんどん大きくなるのを感じて、やる気がさらにみなぎったのである。

岡本にしてみれば、ゴールのニアサイドをもう少し注意していればという後悔は残るかもしれないが、ほとんど無造作に打ったように見えるのに、美しい軌道を描いた阿部のフリーキックには賞賛を贈るしかない。私が日本で見たもっとも素晴らしいゴール――2004年アテネ・オリンピック代表の強化試合として行なわれたコスタリカとの親善試合で、壁を迂回しながら高速でゴールに突き刺さったフリーキック――を決めたのも阿部だったから、レッズでなぜ彼がもっとフリーキックを蹴らないのか、私はよく不思議に思っていた。今回のジェフ戦のゴールにより、この傾向も今後は変わるだろう。

さて。話題は埼スタから日曜日の等々力に移る。ここではフロンターレが2-0でマリノスを破り、勝点3を確保した。74分、谷口の鮮やかなヘディング・シートでフロンターレが先制したあと、その9分後にはレナチーニョがジュニーニョのパスを冷静に決めて勝利を決定付けたのである。
面白かったのは、ゴールの祝福現場からかなり離れた場所にいた中村憲剛のリアクションだった。彼はハーフライン近くで膝を折り、安堵のあまり芝生を手で打ちつけていたのだ。ACLでの敗戦からわずか4日後に行なわれた、チームの底力を問われる厳しい試練に打ち勝ったのを実感したのである。

憲剛はこの試合が大きな意味を持っているのを知っていたのだ。試合終了のホイッスルが吹かれたあと、彼がチームに円陣を組ませ、チームの気迫と意欲を再確認しようとしていた姿が印象生的であった。ACLからは脱落してしまったが、リーグ・チャンピオンの栄誉はフロンターレのすぐ近く、手の届く位置にあるのだ。

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