2009年8月29日:オランダ遠征の参加メンバーに、岡田武史監督がある一人の選手を加えたことは代表チームにとって一歩前進といえる。まだ代表での試合出場はないものの、彼はクラブレベルでは十分な経験を積んでいるし、もしも出場機会を得られれば彼は胸を張ってブルーのユニフォームに身を包むことだろう。
そう、岩政大樹が岡田ジャパンに選出されたのは本当に喜ばしい。正確に言うと、2008年に一度代表に選出されているが、プレーはしていないので代表復帰ということになる。27歳の岩政は、オズワルド・オリヴェイラ監督が築いた鹿島アントラーズのディフェンスの要としてプレーしている。そしてそのアントラーズが今季好調で首位を維持しているのだから、岡田監督も彼を無視できるはずがない。
ようやく、チャンスを得た。今回の遠征では2試合のうちどちらかには先発出場できるに違いない。おそらく監督は、対オランダ戦はベストメンバーで臨みたいはずで、ディフェンスには中澤と闘莉王を使うだろう。となると、岩政の出場は2戦目、9月9日の対ガーナ戦になるかもしれない。
岩政の選出を、私は日本代表にとっての一歩前進と書いた。それは、来年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に向けて日本は高さと肉体的な強さが必要になるからだ。もちろん、創造的なテクニシャンをチームに集めるのも良い。だがそうした選手はW杯ではヨーロッパや南米、そしてアフリカの選手たちに吹き飛ばされるおそれがある。
岩政は、精神面でも強いものを持っている。また、勝利者としてのアテチュードを備えている。こうした資質もまた、決して侮れないのだ。これは攻守両面において効果的だし、彼の空中戦能力の高さと積極性は、コーナーキックの際に相手ディフェンダーを驚かせることだろう。
岩政はこのレベルでの足元の技術を持ち合わせていないのでは? もしも小うるさい人たちがそう言うのなら、私は、彼の仕事は何よりもまず守備であると答える。センターフォワードをしっかりマークし、セットプレーやオープンプレーで相手にヘッドで競り勝つことが仕事なのだ。岩政は1998年当時岡田監督のお気に入りだった秋田の再来といえよう。
鹿島では、岩政のとなりにはスピードがあり頭脳的な伊野波がいる――伊野波の招集もまた近いのではないだろうか――が、日本代表では岡田監督の片腕でありチームで最も重要な選手、中澤と並んでプレーすることになる。森本同様、岩政の招集は監督の好プレーといって良い。来週はおそらく面白いシーンが見られるに違いない。
