フロンターレ“A”チーム、ミッション完了
2009年7月31日:まずは鹿島の素晴らしいパフォーマンスを堪能し、そしてその後……。
それにしても、水曜夜の、等々力での試合は素晴らしかった。フロンターレが第1戦の0-1の敗戦を跳ね返し、3-0の勝利を収めてナビスコカップ準決勝進出を決めた。90分を通してすべてが鹿島のプラン通りに進んでいた。彼らはとても良いプレーをし、フロンターレを抑えるだけでなく、自らのチャンスも作りだしていた。後半は時計が止まるようなハプニングも少なく、4分のロスタイムはフロンターレに対してやや気前が良すぎるような気がしたが、それでもアントラーズは手を緩めることなく攻め続けた。アントラーズのコーチの一人がベンチ前で手を振り、選手たちに残り4分であることを知らせ、誰もが試合終了のホイッスルを待っていた。
だが、ホイッスルは吹かれず、そして誰もが予想していなかったことが起きた。ジュニーニョが、なんと同点ゴールを決めたのだ。敵地に乗り込んできた多くのアントラーズファンが狂乱、そして凍りつくような静寂に陥った。
はじめは、ジュニーニョのシュートが決まったとは信じられなかった。ジュニーニョの角度からは彼の前にいた岩政の体に遮られ、ボールはゴール裏の支柱に当たったのではないかと、メインスタンドにいた私には思えた。しかし、違った。ジュニーニョはコーナーに陣取ったフロンターレ・ウルトラスに駆け寄り歓喜のセレブレーション。
このゴールについて、岩政を責めることはできない。ジュニーニョにチャンレンジすることなくポジションを守った彼の判断は正しい。仮に岩政がジュニーニョに挑んでいたとしたら、ペナルティを取られていたかもしれないし、ジュニーニョが岩政をかわしてフリーになれば、クリアゴールになったことだろう。岩政はこの角度からのジュニーニョのシュートの確率を計算し、ポジションを守った方が良いと判断した。しかし、この場合に限ってはその計算が間違っていた。ジュニーニョはギリギリのスペースを見つけて素晴らしいゴールを決めたのだ。
アントラーズは、4分のロスタイムが過ぎてから、95分にゴールが決まったことに怒り心頭。そして、それはオズワルド・オリヴェイラ監督の試合後のコメントにも表れていた。試合終了のホイッスルが吹かれた時はアントラーズにはリスタートする時間しか残されておらず、延長戦はフロンターレペースの試合へと激変していたのだった。途中交代のレナチーニョ、鄭大世、そして黒津のフロンターレ“A”チームがジュニーニョをサポートし、中村憲剛がより広くプレイメーク。フロンターレの怒涛の攻撃が始まった。ジュニーニョが鹿島のハートに楔を打ち込んだとしたなら、レナチーニョと鄭が留めを刺したと言える。
フロンターレの関塚監督は、精鋭チームで試合を如何に始めるかではなく如何に終わらせるかという、フィリップ・トルシエの哲学を踏襲しているのだろうか?
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コメント
強いねフロンターレ、こりゃACLも鯱を圧倒だね!
投稿: | 2009年8月 3日 (月) 22時53分