若者たちを後方支援した浦和のベテラン勢
2009年3月31日:先日のコラムで述べたように、ナビスコカップと“ニューヒーロー賞”は切っても切れない関係にある。ただし、“オールドヒーロー”(おそらく“比較的オールドなヒーロー”としたほうが、政治的に正しい表現となるのだろうが)をないがしろにしても良いというわけでもない。
日曜日、日産スタジアムで横浜F・マリノスを相手に1-0の勝利を収めた浦和レッズには、“オールドヒーロー賞”をあげたい選手が2人いた。ゴールキーパーの山岸とセンターバックの坪井がそうで、2人は文字通り後方からチームを導いていたのである。
山岸――ニューヒーローと呼ぶには7年遅い30歳――はファイン・セーブを連発し、マリノスの執拗な攻撃を水際で阻止。とくに後半の活躍は見事であった。途中交代で入った齋藤学のシュートを、本能的とも言えるアクロバティックな動きで弾き出し、そのあとには松田がロングボールを完璧なファースト・タッチでコントロールし、ハーフボレーで鋭いシュートを放つシーンもあったが、これもいつも通りニアサイドをしっかりブロックして防御した。
その日の午後、山岸はずっと大忙しの状態であったが、坪井の支援がなければさらに大変なことになっていただろう。29歳の少年・坪井は決して我を失うことはなく、この日も試合を読む能力を発揮し、滑らかで、タイムリーなタックルによってすべての穴を埋めていた。
最終的には、私なら“オールドヒーロー賞”に山岸を選んでいただろう――もちろん、そんなものがあるとすればの話だが。
浦和のフォルカー・フィンケ監督は、“赤き若者たち”のうちの2人を先発起用した。ダイヤモンド型の攻撃陣の底に位置する山田直輝と左サイドの原口元気が、その2人だ。あとはポンテがダイヤモンドの右、高原が頂点に位置していたのだが、前半40分に記録された、この試合唯一のゴールであるペナルティ・キックを導いたのが原口であった。
17歳の原口のスピードが榎本の予測を少しばかり上回ったために、榎本はファウルを犯し、主審の松尾一からイエローカードを提示された。レッドカードでもおかしくないプレーだったが、審判としては常識的な判断を下したのだろう。
ペナルティ・キックは、昨シーズンに比べて細身になり、コンディションも良さそうなポンテが決めた。レッズが勝点3を得るには、そしてトリコロールの傘を持ったマリノス・ファンの応援を沈静化させるには、これだけで十分であった。
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コメント
良さそうな若手はいるみたいだが今年のレッズは怖くなさそう。
問題は彼らの伸びしろでしょう。
とにかく今年の優勝は無理でしょうね
投稿: | 2009年4月 2日 (木) 16時03分