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劇的逆転のダブルヘッダー

2009/04/23(木)

2009年4月21日:土曜の夜、国立競技場の雰囲気が結末を暗示していた。
FC東京――静かで、おとなしく、いつもの姿ではない。ジェフ――活気と自信に溢れ、意気軒昂。ただし、これはファンの様子に過ぎない。
キックオフ前、千葉から来た黄色の軍団がアウェー・チームのサイドで一方的に騒いでいたが、東京のファンは通い慣れたホームである味の素スタジアムとは違う環境で居心地悪そうに見えた。まるで不吉な予兆とさえ思えるくらいに。
ファンの様子がこれから始まる試合の流れを示唆しており、アウェー・チームの勝利という最終結果のヒントとなっていた、と考えることもできた。
だが、あのようなまったく信じられない結末を予想できた人はいないはずだ――しかも私の場合、この試合の前に日立柏サッカー場のレイソル対グランパス戦も観戦しており、ロスタイムのダヴィの右足での決勝ゴールも目撃していたので、信じられない結末の2連発となったのだ。

東京は18分に石川の鮮やかなゴールで先制していたが、余裕がないようにも、勝ち切る自信がないようにも見えた。自信とモチベーションが不足していたために、東京は目前の勝利を手中にすることができなかったのである。
対照的にジェフは試合が進むほどに強くなり、テンポを速め、とりわけ最後の15分は素晴らしいテンポでプレーしていた。
短い距離で素晴らしい走りを見せたアレックス谷澤の左サイドからのスローインをきっちりとキープし、低い弾道のクロスをに供給。これを巻が落ち着いてゴールした。このゴールが生まれたのが87分。私は終盤の同点ゴールを祝う歓喜のシーンがピッチ上で起こるものと予想していたが、そうはならなかった。巻はゴールネットからボールを取り出し、少しでも早く試合を再開するためにハーフラインまで全速力で戻ったのであった。
この積極的な姿勢が功を奏し、飛び出した深井が右サイドから得意の左足で権田の守るゴールのファーポスト側にチップ気味のシュートを決めた。シュートミスのようには見えなかったが、実際はどうだったのだろう?

試合後、ジェフのアレックス・ミラー監督は坂本を「偉大」だと賞賛した。坂本は後半にライトバックからセンターバックにポジションをスイッチし、監督の言葉を借りれば「常に自らの位置を誤ることなく」プレーし、バックラインの隙間を埋めていた。
とにもかくにも、土曜日のJリーグ観戦はドラマチックな試合のダブルヘッダーとなった。サッカーというのは本当に素晴らしく、予想不可能なものだと改めて実感した次第である。

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コメント

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投稿: pip324pec | 2009年4月27日 (月) 00時08分

試合前のゴール裏の雰囲気を試合の結末と結びつけるのはまったく後づけの理屈に過ぎない。

なぜなら我が軍は国立を昇格初年度の1年間ホームスタジアムとして使用し、今も年に何試合かはホーム開催する通い慣れた場所であり、およそJリーグの中で最も国立で戦いなれたクラブであるのだ。
何より霞ヶ丘競技場の所在地は紛れもなく「東京」である。
試合前に静かなのはいつものこと。
相手チームの応援を楽しみつつ間もなく幕を開ける戦いにエネルギーを蓄えるために泰然と過ごす日常的な姿なのだ。

確かに試合中シーズン未勝利でモチベーションが高い千葉の応援に対して、ホームであるような雰囲気を作れなたっかのは自省に値するが、試合前の雰囲気が結末を暗示したというのは違うと思う。

投稿: 毒ガス | 2009年4月25日 (土) 10時02分

ダヴィ最高

投稿: | 2009年4月24日 (金) 00時23分

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