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大分の苦難

2009/04/30(木)

2009年4月28日:昨シーズンの大分トリニータは順風満帆だった。しかし、今年は…。
土曜日に行なわれたホームでのFC東京戦は、考えられうる最悪の結果となった。終了直前の梶山のペナルティキックにより0-1で敗れるという残酷な結末を迎え、7試合を消化しても勝点は4から伸びず、順位は一番下の位置にまで来てしまった。

何より痛かったのは、中心選手であるブラジル人MFエジミウソンが前半でピッチを去ったことだ。エジミウソンは3分間に立て続けにイエローカードを2枚もらい、前半の32分にはシャワールームへと向かっていた。
最初のイエローカードは29分で、これは反論の余地のないものだった。梶山のシャツの裾を掴んで反則をとられたあと、エジミウソンは判定に対して怒りを隠すことなく、反抗的な態度を見せたとして警告を受けた。ファウル自体が思慮に欠けたもので、その後の態度も最悪だったから、1枚目のイエローカードは全面的に彼に非があった。

だが、2枚目はどうだろう?
私には、非常に厳しい判定に思われた。エジミウソンが激しいプレーをし、またも梶山と衝突したプレーはファウルだったかもしれないが、イエローカードを出すようなものではなかった。
レッドカードが出されたとき、エジミウソンは苦笑を浮かべ、最初はそれを受け入れたような様子でピッチから歩み去ろうとした。しかし、2~3歩ほど歩くうちに興奮を抑えきれなくなり、レフェリーに襲いかかろうとした。それはものすごい怒りようで、数人のチームメートが割って入っていなければ、このブラジル人選手は重大な懲戒処分を受けていたかもしれない。

最終的に、エジミウソンには1試合出場停止の処分が下され、最下位争いとなる水曜日の柏での試合に出場できなくなった。大分はあのレッドカードに対する異議申し立てをするのではないかと私は思ったのだが、そうした申し立ては受けていないと、Jリーグから火曜日に連絡があった。
エジミウソンへの2枚目のイエローに関しては、クラブが不服を申し立ててしかるべきだったが、おそらくクラブ側としては、ここは低姿勢でいたほうが得策であると考えたのだろう。彼がピッチを去る前の振る舞いが問題となれば、余計に厄介なことになり、出場停止処分が延長されるかもしれないからだ。

10人で1時間を戦わなければならない大分は勝点1を得て試合を終えられそうだったが、最後の最後になり高橋がパニックに陥り、赤嶺を倒してしまった。レフェリーの高山啓義は、何の躊躇もなくペナルティ・スポットを指差した。梶山がそのPKを西川の守るゴールに決め、大きな意味を持つ勝点3を東京の城福監督にプレゼントした。
西川にとっては、なんとも厳しい幕切れとなった。疲労の見えるディフェンスの後方でいくつものピンチを見事なセーブでしのぎ、終了直前まで相手の攻撃を完封していたのに。そのなかには、交代出場した東京の鈴木のシュートを体を投げ出し鮮やかに防いだプレーもあった。ペナルティ・ボックスの端から絶妙のタイミングで放たれた鈴木のボレーシュートは、バーの真下に落下しようとしていたのだ。

日本のテレビ解説者は「チップ(chip)シュート」や「ロブ(lob)シュート」をよく「ループシュート」と呼んでいるのを私は知っている。鈴木のあの見事なシュートはチップでも、ロブでもなかったので、「ループシュート」と呼ぶのはまったく相応しくない。あえて表現するなら、「絵に描いたようなドライブのかかったボレーシュート」かな!

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コメント

残念ながら、今年の大分は絆・家族・大分愛と美辞麗句を並べているチームとは思えないサッカーに見えます。
選手幹部サポ、皆が勘違いしたかな。

投稿: よりみちお | 2009年5月 5日 (火) 01時10分

大分は去年も特別そんな良いサッカーしてるわけじゃなかったと思う。
でも、たまたま良い成績出ちゃって勘違いしたんでしょうかね?
社長が村上龍さんの全国番組にでちゃったり、ちょっと周りが騒ぎすぎましたね。
にしても梶山・・・終了間際に決勝点で連敗脱出って大きな得点なんだから、もっと喜べよ。
こういう、つまんない選手が日本サッカーをつまんなくする

投稿: | 2009年4月30日 (木) 16時28分

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