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明るかったのはファーベーク監督より岡田監督

2009/02/12(木)

2009年2月10日:日本対オーストラリアのワールドカップ予選前日、両監督の様子はこれまでの数日間とは趣が異なっているように思えた。あえて表現するなら、岡田武史監督がリラックスして自信ありげに見えたのに対し、ピム・ファーベーク監督の方は神経質になっていて、用心深げであった。

オランダ人監督は、ティム・ケーヒルについてそのポジションはおろか、出るかどうかも明かそうとせず、主力の欠けた日本のゴールキーパー陣について質問されたときには、ぶっきらぼうに「ノー・コメント」と発するだけ。プレッシャーがかかるのは日本だけという主張をずっと繰り返してきたわりには、彼の方も緊張しているという印象があった。

「日本は勝たなければならないと思っているが、我々は勝てればよいと思っている。そこが違う」とファーベーク監督。
もちろん、これは本当ではない。以前私が述べたように、日本にとっても勝たなければならない試合というわけでは全くないのだ。引き分けは、上位の順位を維持できるので両チームにとって悪くない結果だと私は思う。ファーベーク監督が言葉を重ねれば重ねるほど、内容はどんどんと説得力の欠けるものになっていくようだった。

ファーベーク監督の公式記者会見は、日産スタジアムで火曜日の午後に設定されていたのだが、その後の公開練習でケーヒルが前の方のポジション、つまりブレット・ホルマンの横かジョシュア・ケネディのすぐ後ろの位置で出場することになりそうだとわかった。
最近の日本はセットプレーのときの守りに問題を抱えているので、普通に考えれば、194cmのケネディを先発させ、ホームチームの守備を撹乱しようとするだろう。

立ち上がりの展開は想像に難くない。オーストラリアはケネディを狙ったロングボールを送り込んでペナルティエリア内を混乱させ、さらにケーヒルがそのこぼれ球を狙う作戦に出るだろう。日本はカウンター狙いで、スピード、動きの良さ、パスを駆使した質の高い攻撃を敵陣で展開してオーストラリアのディフェンスをこじ開け、GKマーク・シュウォーツァーにノンビリする暇を与えないようなプレーをする。ただし、日本の攻撃陣がどのような顔ぶれになるかは不明のままだ。

練習を非公開にすることで、岡田監督は選手たちからプレッシャーを取り除き、メディアからの情報を管理しようとした。1997年と1998年の経験がはっきりと活かされており、細かいことは何も話してはいないのに、岡田監督からは明るい雰囲気が感じられた。
その逆に、ファーベーク監督は物静かで、リラックスした感じを出そうと躍起になっているように見え、いつもの快活さはなかった。彼自身も、ミスの許されない試合だというプレッシャーを感じているようだった。ただし、彼の選手たちが同じように感じているかどうかはまったく別の問題である。

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