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リーダーを得た三木谷会長

2009/01/19(月)

2009年1月17日:こんなに数多くの代理人はじめサッカー関係者がいる今日、これほどの大型移籍話が何の噂もなく、いきなり決まるというのは珍しい。宮本恒靖のヴィッセル神戸移籍というニュースは、多くの人々を驚かせた。しかし、これほど多くのメディアが神戸の新しい“プリンス”を品川のグランドプリンスホテルに見に来たのは、まったく驚くことではない。

ツネはいつも通り、グレーのスーツに身を包み真紅のネクタイをしめ、まるでファッション雑誌から抜け出たようないでたちで会見場に現れた。そして、レッドブル・ザルツブルグでの不完全燃焼にもかかわらず、公式会見で非常に前向きな姿勢を見せた。
選手生活のほとんどをガンバで過ごした彼が、ヴィッセルでなくガンバを選んだとしても何も不思議ではなかった。だが、神戸を2010年のACLに導くという新たなチャレンジを口にした彼は、プロとして実に見事だ。だからこそ、三木谷浩史会長は彼を獲得したのだ。楽天の会長は、複数年契約と言うだけで期間も金額も明かさなかったが、他のことについては包み隠さず話してくれた。

宮本の獲得をいつ考えたのかと尋ねたところ、彼は昨年12月半ばに、ひょっとすると宮本を獲れるかもしれないと思ったという。
「1月2日に、宮本を神戸の自宅に招待しました。そして、彼と長時間にわたり話をしました」と三木谷会長。
「我々は彼の能力以上に、その知性と人間性に惹かれました。彼は日本代表でも70試合以上に出場していますし、キャプテンにに指名されようとなかろうとリーダーシップを発揮してくれるでしょう。チームをうまくまとめ、チームに強いスピリットをもたらしてくれると考えています」。

より多くのファンをホームスタジアムに呼びたいヴィッセルにとって、ツネは高額の年俸で移籍した大久保嘉人の抜けた穴をしっかり埋めてくれるだろう。
「もちろん、彼は嘉人とはまったく違うタイプです」三木谷会長は付け加えた。
「宮本はより成熟しており、女性サッカーファンにもとても人気があります。しかし、何よりも我々は選手としての彼が好きなのです。それが最も重要なことです」。

私は、中澤佑二の獲得失敗が宮本獲得に何らかの影響があったかについても尋ねてみた。すると彼は、もし中澤がマリノスから神戸に移籍していたら、宮本との契約は実現しなかっただろうと認めた。
「我々は、他の誰でもなく宮本を獲得できたことを喜んでいます。宮本はチームのまとめ役で知性もあり、さらにリーダーとしての経験も豊富です。中澤は、攻撃面での強さはもっていますが、宮本はディフェンスのまとめ役となれるでしょう」。

彼の元ボス、ジョバンニ・トラパットーニ監督は宮本を左サイドバックで起用しようとし、現在の監督、コー・アドリアンセにいたっては宮本をまったく使おうとしなかった。そのオーストリアでのことを思うと、少なくとも彼は正当に評価されていると感じることだろう。

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センターハーフとかどうなんでしょう?

投稿: 夏鳥 | 2009年1月19日 (月) 22時21分

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