« 遠藤の評価~トルシエは正しかった~ | トップページ | さらなる前進を目指すエスパルス »

ポジティブ思考が大久保の強み

2009/01/08(木)

2009年1月6日:大久保嘉人の新しい年、新しいスタート。スペインのレアル・マジョルカでは芳しい実績を残せなかった、この26歳のストライカーに、ボルフスブルクの一員としてヨーロッパで再チャレンジするチャンスが与えられたのだ。
このドイツのクラブの公式ウェブサイトによれば、大久保は2011年6月30日までの2年半の契約にサインした。大久保から見れば、好条件である。ボルフスブルクの新しい背番号8には、新しい環境に慣れ、トップチームでしっかりと地歩を固める時間が与えられるのだ。

長谷部誠がすでにこのチームに在籍しており、ドイツおよびブンデスリーガでの暮らしに適応しているということも、大久保にとっては大きなメリットであり、現地での生活の助けとなるだろう。さらに長谷部は、かつてのハンブルクと西ドイツ代表のミッドフィルダーで、指導者としてはハードなトレーニングを課すことで知られているフェリックス・マガトのコーチング・スタイルを大久保に伝術することができる。大久保は、トレーニングに真剣に取り組み、チーム内でのポジションを獲得するための本当の意味での戦いに加わらなければならないだろうが、その何もかもが、彼のキャリアにとって良いこととなり、彼をもう1段上のレベルに引き上げるのに役立つのである。

もちろん、大久保は容易な道を選ぶこともできたわけで、ヴィッセル神戸に残るという選択肢――つまり、キャプテン、スター、簡単な金儲け、代表チームのメンバーであれば必ずあたるスポットライト――をとることができた。日本にとどまるほうが、ドイツに移るのよりはるかに簡単であったのだから、大久保の挑戦は賞賛に値する。ストライカーというものは、自身のDNAを強く信じていなければならない。マジョルカでの経験は忘れ、大久保は積極的に挑戦する姿勢をとるだろう。

ただし、ドイツへの移籍により失うものもある。ワールドカップの前年に、代表チームでのポジョションを失うのだ。ボルフスブルクでスタメンの座を得られず、ゴールを奪えず、コンディションと自信が低下すれば、岡田武史監督も彼以外の選択肢を考慮せざるを得なくなるだろう。
しかし、このようなネガティブ思考は大久保にはふさわしくない。これから、キャリアの新しいステージに向けて彼の船出が始まるのだ。
ヨーロッパの4大リーグの1つでプレーできることは彼にとって大きなチャンスだし、サッカーの伝統にあふれた、美しい国で生活できるのは、彼だけでなく彼の家族にとっても素晴らしいことである。

プレーについて言えば、大久保は非常に激しい試合を経験することになるだろうが、小柄ながら強靭な身体を使い、ディフェンダーを抜き去り、ゴールを決めて欲しいと思う。すぐに倒れてフリーキックを要求するという態度は、やめてもらいたい。これは大久保のプレーにおける好ましくない、不要な側面であるのだから。

固定リンク | コメント (1)

コメント

大久保嘉人は、果たして本当の意味で、「覚醒」できるか。彼は、今のところまだまだ僕が思っていた以上の選手にはなっていない。このままただの良い選手で終わるか。歴史に名を残す偉大な選手となるか。最後の分かれ道だと思います。

投稿: | 2009年1月 8日 (木) 22時40分

この記事へのコメントは終了しました。