2009年1月27日:年初にあるアジアカップの予選は仕方なくやる試合という意味合いが強いが、日本代表としては、オーストラリアをホームに迎える2月11日のワールドカップ予選のための準備試合として、これらの試合を有効活用しなければならない。
なにより、アジアカップ予選は真剣勝負であるので、肉体的な面だけでなく、試合勘という面でも選手が研ぎ澄まされ、間近に控えたシーズンへの対応が整う。さらに、岡田武史監督はこれらの試合でさまざまな組み合わせを試し、代表の当落線上にある選手に国際経験を積ませることができる。
イエメン、バーレーン戦の後にも、日本代表には2月4日にホームのフィンランド戦がまだ残されているが、この試合は親善試合なので、後半にさまざまな選手交代が予想される。通常、この種の試合は、1時間ほど経過したところで選手がころころ代わるものだから、試合全体のリズムが失われるだけでなく、両チームとも結束力が弱くなり意味のないものになってしまう。
実際、代表レベルとクラブレベルにおける最近の忙しい日程を見れば、クラブと選手にトラブルを招くためにあるとしか思えない親善試合は一切受け入れないという、アーセン・ベンゲルの考え方にまったく同意したくもなる。
横浜でのオーストラリア戦を見据え、ピム・ファーベーク監督は、オーストラリアよりも日本のほうにプレッシャーのかかる試合になるだろうと発言し、早くも日本に牽制球を投げている。日本は3試合消化の時点でオーストラリアに2ポイント差をつけられているし、今度はホームでの試合でもあるので、日本代表にはゲームを支配し、最大の勝点を奪取しなければならないというプレッシャーがかかる、というのがその発言の根拠である。
日本サッカーに精通しているファーベーク監督は勝ちにいくと公言しているが、小声でひっそりと、勝つ必要はないのだが、という一言も添えている。また、ウズベキスタンとのアウェー戦の方が日本とのアウェー戦より大変だろうと思っていたと語っている。つまり彼は、パフタコール・スタジアムで1-0の勝利をモノにし最大の勝点を得ているので、日本には余裕をもってやって来ると言っているのだ。
個人的には、私はこのオーストラリア戦は日本が絶対に勝たなければならない試合でもないと感じている。もちろん、勝てばそれにこしたことはないのだが、引き分けでも両チームにとって悪くない結果であるし、上位に留まることはできるのだ。日本にはまだ、ホームでのバーレーン戦とカタール戦が残っている。これら2チームをアウェーで撃破しているので、リーグ戦前半の4試合を無敗のまま、勝点8で締めくくれば南アフリカへの道のりは順調であると言えるだろう。
日本の最終戦、6月17日のオーストラリアとのアウェー戦はどうなのかって? そのときには両チームとも予選突破を決めていて、試合そのものはパーティーのようなものになる、と思っているのだが…。