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気温が下がり、温まってきた田原

2008/10/06(月)

2008年10月3日:数ヶ月前のこと。雑誌『週刊サッカーマガジン』から日本のサッカーライターたちに、“現在は代表メンバーには選ばれてはいないものの、チームにインパクトを与えそうな選手を選んで欲しい”という依頼があった。私の選択は、京都サンガF.C.の大型センターフォワード、田原豊だ。

堅いところでいえば、小笠原満男とか他の選択肢もあるのだが、せっかくなので、敢えて無名の選手を選んでみた。日本代表が最も欲しているエリアということでも、田原がピッタリだと思う。
カップ戦決勝のウェンブリーのぬかるんだペナルティエリアで、フライングブーツを履きダイビングヘッドで決勝ゴールを挙げる。大きく勇敢な背番号9が少年漫画のヒーローだった私のイギリス人としての血が、田原を選ばせるのだろう。
田原にはそうした素質と可能性を感じる。だから彼の名を一見の価値がある選手として雑誌のアンケートに挙げたのだ。ただし、彼が日本の決定力不足を即解決してくれると言うわけではない。
モジャモジャの長髪といった点ではバティストゥータと似ているが、彼を日本の“バティゴル”(バティストゥータの愛称)とするつもりはない。

水曜夜の京都対浦和戦(2-2)で複数のメディアが田原をマン・オブ・ザ・ゲームに選出していたのを見て、私も自分の選択に自信を持った。
前半26分にバイシクルキックを試みて不運にも負傷退場したフェルナンジーニョ、そして柳沢と並んでプレーした田原は、空中でも地上でも浦和ディフェンス陣を悩ませ続けた。柳沢の同点ゴールのときも、柳沢のために一人で壁を作るなど大きく貢献し、その後も高いヘッドで相手ゴールを脅かした。

「彼の今季ベストゲームでしょうね」。京都の加藤久監督は試合後、田原についてそう語った。
カトキュウはさらに続けた。「夏場は調子を落としていました。これは毎年のことなのですが、彼は夏に調子を崩すんです。暑い鹿児島県出身だというのに…私も不思議です」。
「夏場の彼は、汗をかくと共にエネルギーを失っていくのだが、今の彼は最高のパフォーマンスを見せてくれています」。

以前カトキュウさんと話したとき、高温多湿の関西の夏に、田原は糖分の高いドリンクを取りす体重コントロールに苦労すると聞いた。だが、暑くて湿度の高い夏の野球気候から、温度も湿度も下がりサッカーに適した気候になり、田原はようやく温まってきたようだ。岡ちゃん! 見てますか?

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コメント

はじめまして、秋日晴雄と申します。

記事の内容と関係のないコメントを残すことをお許し下さい。

先日(2008年10月7日付け)読売新聞のスポーツ面に掲載されていたジェレミー・ウォーカー様のヴェンゲル取材記事の一部を、私のブログで引用させて頂きました。
引用した記事に関して問題がございましたら、ご連絡を頂けると幸いです。

お忙しいところお手間を取らせて大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

投稿: 秋日晴雄 | 2008年10月 8日 (水) 12時28分

こんにちは。
現在のJリーグでインパクトという点で田原というのは自分も同感です。
彼にしか決められないのでは?と思えるような特別なゴールに、数々のエピソード・・。
田原がジャパンのヒーローになるところを是非とも観てみたいものです。
確かにそういう趣を感じさせる選手だと思います。

投稿: KAAZ | 2008年10月 7日 (火) 01時56分

夏はドリンクの飲みすぎで太ってしまうという話は面白いです!
他人事じゃありませんが…
しかしカトキュウ先生は、こまかいところまでよく見てますね。
日本でも、イングランド流のたくましい背番号9が生まれてほしいなあ。

投稿: ケン | 2008年10月 6日 (月) 23時40分

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