マナマの悔しさを忘れるな
2008年9月3日:土曜日のアウェー戦で打倒バーレーンを目指すのに相応しい人材を、日本は揃えた。彼らが相応しい態度をとれるかどうかはまだわからない。積極的に出て、ホームチームに襲いかかるのか? あるいはゆっくりと構え、カウンターでの得点を狙うのか?ポジティブな心を持って試合に臨んで欲しい、と切実に思う。3月にバーレーンで0-1で敗れたときは、心の持ちようが最大の問題であったからだ。
あの試合では、日本代表は鋭さと貪欲さに欠けたために、川口のミスが出てバーレーンにリードを許し、そのまま抑え込まれるという代償を払わされた。ただし、今回の日本は、負けられないという思いとプロとしての気構えをもって試合に臨むだろうし、最初から必死に勝ちにいくと思う。もちろん、ゴール前で殺し屋のような嗅覚を発揮する選手が必要だし、チャンスがあれば積極的にシュートを打たなければならない。ただし、この問題は昔からずっと言われてきたことでもある。
日本が他に改善できる点があるとすれば、それは広くボールを展開させる方法だ。日本代表は、いい動きをいくつか連携させてボールを広いスペースに送ることはできるが、その後にクロスをゴール前に上げるチャンスを放棄し、むしろボールを後ろに戻してやり直しを図ろうとし、相手ディフェンスを苦しませるチャンスを活かせないままになっている。
土曜夜のマナマでは、日本代表がボールをゴール前に集め、相手のゴールキーパーとディフェンダーにプレッシャーを与え続ける姿を見たい。巧妙な攻めではないかもしれないし、地味なパスを忍耐強く続ける必要もあるかもしれないが、それがバーレーンのミスを呼び、日本のチャンスを招くことになるだろう。
そのためには、私なら巻を前線に置く。彼はターゲット役が得意だし、ボールを持った選手は巻を探してボールを供給すればいいのである。ゴール前にボールを上げると、巻がそこにいて、何かが起きる、というわけだ。
以前にも書いたが、彼の特徴的なプレーの1つは、ファーポストの空中戦で競り勝ち、危険なエリアにボールを落とすというものである。そこで玉田のような選手が待ち受けていて、ゴールを狙うのだ。
こういうプレーは高度な理論を必要とするわけではない。どちらかというと、シンプルにして、効果的なプレーである。また、ポジティブな戦略でもあるが、唯一無二の戦略というわけでもなく、選択肢の1つである。
前線にターゲット役がいなければ、ボールを持った選手はボールの送り先の選択肢が狭まり、結果的に失敗か、無意味なパス回しに陥ってしまう。
たとえアウェー戦でも、日本は、試合の立ち上がりから威厳と自信を持ってプレーしなければならない。そして自らペースとリズムを掴むようにしなければならない。
技術的には優れた選手が揃っている。しかし、予選もこの段階まで進むと、姿勢とスピリットも同じように重要になるだろう。日本代表はこの前のマナマで得た教訓を活かすだろうから、この試合は勝てる、と私は思う。予想は「1-0で日本」としたい。
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コメント
昨夜の試合を観戦しました。(TVにて)
岡田さんのプランは、良かったと思います。
左に阿部を置き、バーレーンの右は死んでたと思います。
FWに関しては、田中・玉田も結果的に正解に思いました。
そして、日本のFWの形が見えてきたように思えます。
田中は、特によく見えた。まだ、怪我前の80%ぐらいにみえますが日本人の可能性と特性がよく出てたと思います。(アジアの枠では・・・。)
玉田は、後半の中に切れ込んだシーンをもう少し増やして行けば…かな?
佐藤は、ダメでした。岡田さんの指示は右サイドだったのかな?
前を向いたシーンで、勝負をしない!
結果、1点目につながったと思います。
試合に入れてなかったのかな?(憲剛のミドルはヒントだったと思うが…。)
投稿: タカ | 2008年9月 8日 (月) 01時49分
三月二十六日の試合は悪夢でしたが、忘れてはいけない記憶です。
ここ数年の日本代表で、もっとも継続的に実力を発揮できている
FWはまちがいなく巻誠一郎だと思います。
一部では酷評されていますが、
ジェレミーさんは正当に評価してくれるのがうれしいです。
素人のボクにはむずかしい戦術の話はわかりませんが、土曜の試合は、
シンプルでバーレーンが恐怖を感じるような攻撃をしてほしい!ヽ(´▽`)/
投稿: ケン | 2008年9月 4日 (木) 23時46分