« 谷口の姿に見た、チーム全体の失意 | トップページ | ジェフのGK岡本が見せた、職責以上のもの »

日本代表、“鋼鉄のバラ”を粉砕!

2008/08/18(月)

2008年8月16日:日本サッカー界が明るいニュースを渇望していた、そんな金曜の夜。なでしこジャパンがオリンピックでやってくれた。“鋼鉄のバラ”中国代表を相手に2-0の勝利を収めて準決勝に進んだだけでなく、NHKをして“なでしこフィーバー”とぶち上げさせた。彼女たちのプレーは、その賞賛にふさわしい。素晴らしいチームワークと士気で試合を終始支配し、中国を寄せ付けなかった。女子サッカーチームの歴史に残る一戦だった。

女子サッカーを批判するのは、容易なことだ。だが彼女たちはサッカーを、そしてどのようにプレーすれば良いのか熟知している。ボールを持ったときの冷静さ、正しい判断、そしてリスクを確実に回避する試合運び。彼女たちが示した熟練とプロ意識は、このまま勝ち進んでメダルを獲得してもおかしくない。

月曜日、北京でアメリカとの準決勝が行なわれる。メダルへの最初のチャンスだ。
しかし、勝利を得るには彼女たちのベストパーフォーマンスが必要になる。アメリカはすでにグループリーグで日本を1-0で下している。さらに言えば、過去21回の対戦でまだ一度も日本に負けていないのだ。しかしながら日本も、大会が進むにつれ調子を上げてきている。自信に満ち溢れて準決勝に臨むことだろう。

秦皇島での初戦、ニュージーランド戦は彼女たちらしからぬ落ち着かないプレーで2-2のドロー。続いてアメリカ戦は0-1の敗戦、そして準々決勝への扉を開いたノルウェー戦、驚異の5-1の勝利を私は見てきた。今や、女子サッカーチームの将来には大きな空が広がっている。彼女たちのパフォーマンスは、帰国後の女子サッカー盛り上がりの原動力となることだろう。

彼女たちには中田英寿の引退以来男子チームに欠けていた、チームの顔、そして抜群のリーダーシップを持つ澤穂希がいる。そして、トルシエスタイルの自発性、そして効率的サッカーというチームプレーがある。一人の選手がピッチを出ても、自分の役割を完全に理解した新たなプレーヤーがピッチに入る。チームは体制を崩すことなく試合を戦える。

澤のずば抜けたヘディング能力、そして永里の中国にトドメをさす1発。そうだ、あの手ごわい“鋼鉄のバラ”を相手に素晴らしい試合だった。日本は、2008年北京オリンピックを誇りを持って振り返ることができる。今後の結果がどうあろうとも。

固定リンク | コメント (0)

コメント

この記事へのコメントは終了しました。