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国立競技場の尋常ならざる雰囲気

2008/07/31(木)

2008年7月30日:火曜日の国立競技場周辺は、雷と稲妻に見舞われる前から尋常ならざる空気に満ち溢れていた。おなじみのライトブルーと白のストライプのユニフォームを着たアルゼンチンが、4万3,000人以上の大観衆を国立競技場に呼び寄せたため、試合はカーニバルのような雰囲気のなかで行なわれた。
本人はいなかったのに、大物メッシのレプリカ・シャツがたくさん見られた。また、ベロンやバティストゥータ、サビオラ、アイマールのシャツも、もちろんマラドーナのシャツもあった。

スタジアムに向かう道中は、まるでアルゼンチンのサッカー史のなかを歩んでいるようだった。そして試合中止を余儀なくさせた天候状態さえも、雰囲気の盛り上げ役と感じられないこともなかった。

競技場の時計が83分と35秒を示しているときに選手たちがピッチから引き上げるとどよめきが、その後すぐに正式発表があるとブーイングが起こったが、この決定はまったくの正解だった。
第1に、閃光があちこちで見られるコンディションは、選手にも、ファンにも危険なものだったし、第2に、激しい雨によってピッチは瞬く間にプレー不可能な状態になっていた。
たくさんのものが賭かっていた土曜日のアントラーズ対レッズ戦とは違い、今回のオリンピック代表の親善試合は、試合終了まですべての人を立ち合わせなければならないほど重要なものでもなかった。

1-0というスコアには、ほぼ納得できる。アルゼンチンのほうが一枚上手だったが、日本も善戦し、何度かアルゼンチンを苦しめた。
私のマン・オブ・ザ・マッチはセンターバックの森重だ。前半の森重は、リケルメのデリケートなパスに走り込んで合わせようとするアルゼンチンのフォワードをうまく食い止めているように思えた。
良いディフェンダーは皆そうなのだが、森重はタックルしようと無分別に飛び込んで、自らを役立たずな存在とする代わりに、立ったままじっくりとボールを観察し、しっかりと地に足をつけ、体全体を使って相手プレーヤーを危険な地域に入れないようにする術を心得ているのだ。
森重は天性の積極性と集中力を持ってプレーしており、空中戦ではそれがより顕著になるのだが、同時に冷静で、勝負どころを理解しており、いつもマークする選手の内側にポジションをとるようにしている。
森重のポジショニングとプレーは、前半にアルゼンチンの攻撃を食い止めるのに大いに役立ち、キャプテンの水本と並んだ位置でのプレーは、吉田ではなく、彼がオリンピックでのスタメンの座を射止めたのではないかと思わせるほどであった。

アルゼンチンについて言えば、左ウイングのアンヘル・ディマリアのクールな右足のシュートに代表されるようなプレーで、たくさんのファンを何度も沸かせていた。
ガゴ、マスケラーノがサポート役を務める中盤は、リケルメがオーケストラの指揮者のようにチームのリズムを司っていた。試合を静かに進行させるときと、エネルギーを爆発させるときを織り交ぜながら、一貫した流れのなかで指揮し、チームを完全に掌握していた。残念だったのは、このコンチェルトが早めに終わってしまったことである。

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