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ホーム・スウィート・ホーム

2008/07/28(月)

2008年7月26日:先日の、ホームズスタジアム神戸での日本代表のプレーは素晴らしかった。単にオーストラリアを破ったからというのではない。猛暑の中、最後までスタミナ切れを起こすことなく戦えたからだ。このような自信をもたせる結果を出すことができ、オリンピックを目前に控えた監督も楽観的になれる。女子についてはこれでいい。

一方の男子もかなり良い試合をした。反町康治監督も、2-1の勝利に新しいチームや自身に対してかなり満足できたのではないだろうか。私としては、右サイドを何度も突破しオーストラリアを苦した右サイドバックの内田が一番良かったと思う。
日本の同点弾の起点となったのが、内田からのパス。李と森本がお膳立てし、香川がスムーズなゴールを決めた。この日の香川はとにかくシャープ。ピッチを自由に駆け回り日本の攻撃に大きく貢献していた。彼のパーフォーマンスは、代表入りが正当だったことを証明し、岡田武史監督と反町監督への信頼に応えるものだった。ただ、香川がテレビやメディアから、平山のような馬鹿げた特別扱いを受けることを恐れている。

キックオフの前から、スタジアムアナウンサーは甲高い絶叫で香川を“セレッソ・ファンタジスタ”と……ああっ、勘弁してほしい。そしてかつて平山相太がベンチに座っていても受けていたスポットライトのように、ビッグスクリーンに度々、香川の顔が映る。この狂騒はきっと火曜日のアルゼンチン戦をはじめ、オリンピックを通してさらに過熱していくのだろう。“和製メッシ”? あれは家長のことだったかな?

日本の4人のミッドフィルダーの中で香川が左サイドで輝く一方、右サイドの本田圭佑は全く精彩を欠いていた。フェンロ(オランダ)のMFはまるで水から出た魚のようで、その右足を満足に使うこともできなかった。特に頭に焼き付いているのは、52分、香川のスルーパスを左足のアウトサイドでシュートを放ったシーン。ボールは、右足で蹴ってくれと懇願していたというのに…。最高レベルの選手たちであっても、多くの左足のスペシャリストが右足が使えない、もしくは使おうとしないのはあまりにも滑稽である。

他の選手はというと、まず吉田。オーストラリアに先制ゴールを献上したあの軽率なトラップを、彼自身が悔いていることだろう。経験あるプロ相手に、草サッカーレベルのプレーをするのがどれだけ危険なことなのかよく分かったはずだ。
谷口は右ウィングからのクロスをスラムダンクでもするつもりだったのか、そのプレーでイエロー。後半からピッチに入ったのだが、その愚行で下手をしたらわずか12分しかピッチにいられなかったかもしれない。その後、たまたま誰かにファウルをしてしまい2枚目のイエローでももらおうものなら、チームは厳しい状況下、10人になってしまう。彼のイエローは、それだけ無責任なものだった。反町監督もきちんと指導するべきだ。
とは言え、全体的に日本は思ったより良いプレーをしていた。コンパクトでデンジャラス、そして自信を持ってプレーしていた。もちろん、なでしこジャパンもね。

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コメント

「和製メッシ」「和製ロナウド」「和製アンリ」・・・。
新聞読んでると、日本は人材の宝庫ですね。
マスコミを信じればどう考えても得点力不足にはなりようが無い。

投稿: PK | 2008年7月30日 (水) 09時52分

「和製メッシ」、そんな人もいましたねえ
わが国のメディアの若手をスポイルする能力は異常で、恥ずかしいです
それでもオーストラリア戦の香川はよかったですね
ジェレミーさんと同様、わたしも彼の能力を疑問視していたのですが…
よい意味で裏切られました

投稿: ネクラーソフ | 2008年7月28日 (月) 20時08分

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