国内外で混乱を極める五輪サッカー
2008年7月12日:日本は、早くも北京オリンピックの金メダル第1号を獲ったようだ。オーバーエイジ枠選考でのゴタゴタは、まさに金メダルに値する。
これまでの準備、そしてオリンピック候補選手が戦ってきた全てのゲーム、それらを台無しにするような、愚かともいえるゴタゴタ。遠藤保仁が正式に出場を辞退し、結局、日本代表にはオーバーエイジ枠の選手が一人もいなくなった。ダラダラと長引いた選考がようやく終末を迎え、世間を二度ガッカリさせたJFA(日本サッカー協会)の不手際。自ら墓穴を掘ったとしか言いようがない。
まず、大久保嘉人。何とか大久保の招集を確保するために採ったJFAのやり方に、ヴィッセル神戸は激怒した。JFAがきちんとした手続きの下に大久保を招聘したのではなく、裏口からコソコソと画策した、ヴィッセルはそう感じたのだ。
2月に受けた膝の手術後の状態を心配して、と言うのはあくまで表向きな理由にすぎないと私は思うが、いかなる理由であろうと、ヴィッセルにはJFAに「ノー」という権利がある。これはチームのワガママでもなければ、国に対する裏切りでもない。結論から言うと、J2降格ラインすれすれの所にいるヴィッセルには大久保が、チームキャプテンが必要なのだ。彼のゴール、そして勝ち点が必要なのだ。
ヴィッセルは大久保に年俸を払っている(かなりの額であることは容易く予想できる)。ヴィッセルは彼をチームに留まらせる権利がある。
遠藤についても然り。JFAは一体何を考えているのだろう。
彼はワールドカップ予選に4試合出場、精神的にも肉体的にもキツイ6月をすごしてきた。そしてガンバには、J1リーグ戦とナビスコカップ準々決勝と忙しい7~8月が待っている。9月にはワールドカップ最終予選が、さらにアジアチャンピオンズリーグの準々決勝も始まるのだ。
酷暑の天津と瀋陽で7日間で3試合、そして勝ち進めばさらに数試合の可能性がある。遠藤にこんな過酷なスケジュールは必要ない。体調万全の遠藤がオリンピック代表の中盤の柱となり、セットプレーやPK戦になった場合のペナルティキックの技術でいくらチームを引っ張れるとしても、JFAがこんなこにさえ考えが及ばないのが信じられない。先にも述べたが、オーバーエイジ枠選出についてきちんと対応できなかったJFAが、自ら墓穴を掘ったということだろう。
幸いにして、この問題は既に終わった。月曜日には、反町監督が18名の代表選手を発表する。これ以上は何も起こるはずがない。
明るい面も見てみよう。2012年のロンドン・オリンピックでは、23歳以下の選手しか出場できない。従って、こんなゴタゴタはもう生じない。とはいえ、率直に言うと、オリンピックのサッカーは混乱している。その証拠に、選手の招集についての抗議や詰問がヨーロッパのチームからFIFAに寄せられ、この時期になってようやく、今週FIFAがルールを明確にしようと記者発表を行なった。申し訳ないが、日本は自業自得というべきだ。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
初めまして。いつも見てます。
反町さんの他者とのコミュニケーション能力の低さは
ずっと言われてましたが、『日本代表』と言えば、
座っていれば、誰でも尻尾を振って来ると思ってたんだろうか。
結局、日本は参加国の中で、最もオリンピックを舐めた形に
なりました。
ちなみに、コメント欄が出来たのは嬉しいんですけど
ジェレミーさんの日本語能力が解りません。
日本語で書いて良いんでしょうか?
投稿: じぇらーど | 2008年7月14日 (月) 20時42分
サッカーの側が五輪を必要としてないわけだし、23歳以下とか言ってる時点で他の競技や五輪自体に失礼なこと。
イギリス各国も出場できないし、モチベーションがないなら止めた方が良い。
どうせならフットサルと入れ替えたほうが何もかも良いと思うんだけど。
五輪開催都市以外で試合するなんてことも無くなるだろうし。
まあIOCが土下座してるような状況じゃ無理でしょうけど。
JFAには犬飼さんに期待しましょう。
投稿: あむ | 2008年7月14日 (月) 17時36分