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W杯組合せ抽選、幸運だった日本代表

2008/06/30(月)

2008年6月28日:かつて、フィリップ・トルシエ監督が「名監督の資質」なるものをいくつか挙げたことがある。彼のリストには、戦術、戦略、管理能力など、ごく当たり前の事柄が並んでいた。そして、トルシエ監督はこう締めくくった。「何よりもツキがなきゃダメさ」。

金曜日にクアラルンプールで行なわれた2010年ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選の組合せ発表を見る限り、岡田武史監督はツキには恵まれているようだ。
日本と同じグループAには、突出したチームはいない。むしろ怖いのはグループBのイラン、サウジアラビア、韓国、北朝鮮、そしてUAE。イランとサウジアラビアは強く、そして経験も豊富なチームであり、W杯のチケットを得るのに何が必要かを熟知している。韓国や北朝鮮との試合では政治的、そして歴史的な背景からいつもサッカーに集中するのが難しい。彼らとの試合は所謂“通常の”試合ではなく、日本に心理的プレッシャーがのしかかる。
UAEはそれほどではないが、何といっても監督があのブルーノ・メツである(2002年W杯で初出場のセネガルを率い、初戦でフランスを破った)。したがって、日本にとっては上々の抽選結果だったろう。

グループAには、トップシードのオーストラリアをはじめバーレーン、ウズベキスタン、そして“国際的(とある記事で読んだが、とても緩やかな移民法を指している)”なカタールがいる。いまやアジア・オセアニアの強力なライバルとして、ピム・ファーベーク監督率いるオーストラリアとの対戦は、日本にとって非常に待ち遠しいものとなるだろう。
しかし、日本のワールドカップ出場の鍵を握るのは他の国々とのアウェーゲームだ。3次予選で、日本は不甲斐なくもバーレーンに敗れ、遠藤のPKと楢崎のセーブでようやくオマーンに引き分け。アウェーではタイにしか勝っていない。タイは、J2でも優勝できる力はない。これが現実だ。

最終予選ではアウェーでの戦い方を考え、確実に勝点を挙げてゆかねばならない。さもなくば、ホームゲームに大きなプレッシャーがかかることになる。3月のマナマの時のように、気の抜けた傍観者のような試合をする訳にはいかない。勝利を目指して、少なくとも引き分けに持ち込まなくてはならないのだ。
主導権を握ってポジティブに、そして過去3大会の出場国らしく闘い、そして4度目の出場を目指す、他の国々はW杯予選での日本の記録、そして岡田監督が率いる選手たちに戦々恐々としている。特にアウェー戦では、下馬評通りの支配力で圧倒しなくてはならない。
私は、日本が上位2チームに入り南アフリカW杯の出場権を手にすると堅く信じている。万が一にも、力の劣るグループAで3位に終わり、グループB3位とのプレーオフになれば、勝てるチャンスは当然低いだろう。

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コメント

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アジア予選は突破してもらわなければ困りますが、今回はなぜか楽観する気になりませんね
3月のバーレーン戦の悪夢をみんな忘れないでいてほしいものです

投稿: | 2008年7月 2日 (水) 23時07分

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