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水本は京都でよみがえる

2008/06/26(木)

2008年6月25日:シーズン前の段階から、京都サンガはJ1昇格を果たした3チームのなかで最も戦力が整い、最もJ1残留の可能性が高いチームと思われていた。さらに今は水本の加入が決まった京都は残留以上のものを望めるようになり、いつもリーグを上がったり下がったりしているヨーヨーのようなチームという定評さえも覆しつつある。

ガンバではいろいろあったが、水本が日本屈指のセンターバックであることに変わりはなく、彼の前には明るい未来が開けている。
水本は俊敏で闘争心に満ち、最初に所属したジェフユナイテッドだけでなくオリンピック代表チームでもすでにリーダーとして頭角を現している。残念ながらガンバでは自信喪失の状態にあったが、おそらくその原因は、中国で開催された東アジア選手権の北朝鮮戦の大事なところで足を滑らせてしまい、チョン・テセに得点を許してしまったことにあるのだろう。あの試合があったのは2月17日だったから、ガンバでは彼の最高のプレーが見られなかったわけだ。

いま彼はサンガに移り、ガンバでその後を継ぐはずであった渡り鳥のシジクレイとともに京都の「カトナチオ」ディフェンスの一角となろうとしている。京都にはジェフで水本と相性のよかった佐藤勇人もいるので、チームは全体的な底上げが可能になるだろう。
水本は京都にとってうってつけの選手であるだけでなく、9月から始まる2010年ワールドカップ最終予選の頃には再び代表に戻れるだけの能力と人間性をもった人材である。

では、バーゼルから鹿島に戻る中田浩二にも、同じような期待が持てるだろうか?
中田にまず求められるのは、アントラーズというチームでしっかりとした地位を築くことであるが、それはなかなか簡単ではなさそうだ。中田はとびつけた万能選手で、彼1人で2人の選手を獲得したのと同じ価値があるのは確かだが、オズワルド・オリベイラ監督には不動のレギュラーがいるし、バックとミッドフィルダーは控え選手も豊富だ。

左サイドバック、センターバック、中央のミッドフィールダー…これらすべてのポジションを中田は上手にこなすことができる。しかし、左サイドを急襲する新井場はアントラーズの戦略に不可欠な要素だし、ディフェンスの中央で岩政とコンビを組む選手としては大岩も伊野波もいる。また、青木と小笠原のコンビは中盤の活力源である。
中田が鹿島でしなければならないのは、過去の実績ではなく、実力をアピールすることだが、アジアチャンピオンズリーグやナビスコカップ、今後のJ1の試合など、そうするための機会は数多く得られるだろう。

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