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厳しい環境で成功を手にした松井

2008/05/19(月)

2008年5月16日:キリンカップ、そしてワールドカップ予選までのあいだ、誰がニュースの主役になるか、なんてことは聞くまでもない。当然、それは中村俊輔だ。バーレーン戦では、彼の持つセットプレーと大舞台での経験がないことが日本代表に大きく響いた。
そして海外組のもう一人、メディアへの露出が増えるであろうと私が期待しているのが松井大輔だ。

フランスのルマンで大活躍している京都の“紫王子(パープル・プリンス)”は岡田ジャパンのキープレーヤーとなるかもしれない。私が感心するのはそのプレーだけではない。それ以上に、2004年にフランスへ渡って以来、いかに彼がフランスでの生活に馴染んだか、である。
正直なところ、フランスは住みやすい国ではない。他のヨーロッパの人間にとっても、言葉は難しいし、街も非常に異質、ときとして排他的だ。そんななか、ヨーロッパでイングランド、スペイン、イタリア、そしてドイツの4大リーグに続く5番目のフランスリーグで名声を得た松井は素晴らしい。

2000年の京都入団から彼を見てきた人たちのなかには、フランスでの成功に驚いている人もいるかもしれない。もちろん技術的にも優れているし、観衆を魅了する華やかさも持ち合わせている。しかし少々目立ちたがり屋で独りよがりなところもあった。
1998年当時、フィリップ・トルシエ監督が小野伸二について感じていたのと同じように、ピム・ファーベーク監督も京都で松井が受けていたスーパースター扱いにフラストレーションを感じていた。スピードがありフィジカルなアフリカ人プレーヤーの多いリーグで生き残るために、松井は自身のスタイルに鋼の身体と規律を加えなければならなかった。

岡田監督が4−4−2を採用する場合、後方に優れたディフェンダーを配置すれば、松井は左サイドMFとして最適だ。残念だが中田浩二に出番はこない。しかし、おそらく松井にとってベストのフォーメーションは3−4−2−1。センターフォワードの後ろに置いて守備的な役割を軽減してやれば、松井は2人のシャドウストライカーの1人になれるだろう。いずれのポジションでプレーするにしても、松井は日本代表の攻撃陣に必要とされるペースを与えてくれるに違いない。

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