李の五輪代表入りは確定
2008年5月23日:李忠成がこれまで反町康治監督率いる18名のオリンピック代表候補に入っていなかったのなら、これで決まりだろう。
若手の有力選手が集まるトゥーロン国際大会。オランダを1−0で破った試合で日本の唯一のゴールを挙げた柏レイソルのストライカーは、勤勉さと勇気を見せた。実際のところ、日本のフォワード陣はかなり手薄な状態。反町監督にはあまり選択の余地がない。オーバーエイジ枠の有力候補に大久保嘉人が挙がっているくらいなのだ。
李は、オランダ戦後も代表の座を確保し得る良いプレーをしている。ターゲットマンとしてはかなり軽量ではあるが、スピードと鋭い左足を持っている。そして、テクニックとパワーでオランダのマーカーを打ち負かし、左足のアウトサイドでゴールを挙げたのだ。さらに言うと、私はピッチでの態度に見られる彼の人間性が好きだ。
日本代表でもう一人輝いていたのが、キャプテンの水本(テレビフィードでは右サイドバックの伊野波をキャプテンとしていた)と並んで4バックの真ん中でプレーした森重真人である。ただし、バックスのポジション争いは熾烈。青山、伊野波、水本、吉田、森重に加えて牧野がいる。彼らの誰をとっても代表として遜色はない。オリンピック代表のディフェンスの中央に闘莉王や中澤が必要だと言う人もいるが、私には理解できない。バックスは日本代表の強い部分でもあるのだ。とはいえ、若い選手の方が闘莉王や中澤より優れていると言いたいわけではない。
反町監督のフォーメーションは、李をトップに水野、谷口、そして本田圭佑が彼をサポートする4−2−3−1という興味深いもの。これは、この年代の選手にストライカーが不足している日本にとって理に叶った解決策だ。欧州チャンピオンズリーグでのルーニーやドログバのように、ローンレンジャー(1トップ)を置くのは近代サッカーの流行りでもある。
谷口は大宮NACK5スタジアムで行なわれた先の練習試合で2ゴールを挙げた。反町監督はエリア付近からのシュートを期待して、いつもフロンターレでプレーしている位置より前で使ったのだ。
最後に伊野波について一言。ファウルはとられていないが、伊野波は序盤、悪質なシャツプリング――シャツを引っ張る行為――をいくつか犯していた。反町監督がこれを注意していることを願う。
オリンピックで日本のゴールは、非常に貴重になるかもしれない。であるからして、こんな不必要なファウルでPKやエリア近くでのフリーキックを与えないよう、十分に注意する必要がある。そんな姑息でリスクの高い手を使わずとも、伊野波は相手ストライカーを負かすことができる選手のはずである。
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