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京都の怒りもわかる

2008/04/24(木)

2008年4月23日:サッカーの将来を憂いたくなるような試合がある。たとえば、土曜日にビッグスワンで行なわれたアルビレックス新潟と京都サンガの試合。私の率直な感想は、恥ずべき試合であり、Jリーグそしてモダンサッカーの現状に対するひどい逆宣伝だというものだった。
サッカーを観ていると、こんな試合に出くわすこともある。とはいえ、Jリーグの全クラブのキャプテン/監督に集まってもらい、ひたすら正直にプレーし、欺瞞を排除し、観るに値する、立派で魅力的な作品を日本のサッカーファンに提供しようと呼びかけたくなるような試合ではあった。

子供っぽい意見といわれるのは承知の上。でも、ひどい試合だった。みなさんご存知だろうが、京都は3人の選手が退場処分になり、挙句には加藤久監督までもが退席処分。選手が次々に退場となると、クラブカラーに合わせたように「カトキュー(加藤監督の愛称)」の顔は怒りで紫色になり、怒りの度合いはテクニカルエリアの形状を素晴らしい足技で再設計するまでに至っていた。

そりゃ、彼だって怒るだろう。シジクレイにアタリバ、増嶋が試合終了を待たずにロッカーに引っ込んでしまったのだから。だが、そんなに荒れた試合だったのだろうか? 出されたカードの数だけ見ればそういうことになるのだが、内実はまったく違う。
より詳しく言えば、監督が退席し、ピッチ上に選手がわずか8人しかいない状態で京都が試合終了を迎えるようになったのは、シミュレーションと負傷のフリが巧妙に行なわれたこと――それからレフェリーの経験不足――が原因だ。

アレッサンドロと矢野へのファウルにより、キャプテンのシジクレイが2枚のイエローカードをもらい前半に退場。その後、アタリバにはいきなりレッドカードが提示されたが、その理由は、テレビ・カメラが捕らえていない、ボールとは関係のない場所における矢野との接触であった。また、増嶋も2枚のイエローカードで退場。1枚目は矢野に対する微妙なファウル判定に対して不満を述べたためで、さらに2枚目のイエローは空中戦での衝突が理由。その相手は…そう、ご名答。矢野である。

今シーズン、私は京都の試合を3試合観ている。増嶋の空中戦での強さ、具体的にはジャンプのタイミングにはいつも感心させられていた。彼はジョン・テリーのような体格をしているわけでもない。どちらかと言えばSMAPのメンバーに近いだろうか。さらに付け加えれば、カードが連発される混乱状態のなか、京都のベテラン選手・森岡が、グラウンドに寝転がる矢野に話しかけた内容も詳しく知りたいところである。
アルビレックスは今シーズンのリーグ戦初勝利を挙げたが、このような大混乱では誰も満足していないことだろう。

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