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エンゲルス監督の七転び八起き

2008/03/20(木)

2008年3月18日:波乱の土曜日と騒乱の日曜日が過ぎ去った月曜日、大原サッカー場の様子はまったくいつも通りだった。前日に容赦なく解雇されたホルガー・オジェク前監督はすでに過去の人。ゲルト・エンゲルスが“またも”スポットライトの中央にいた。
クリップボードを手に持ったエンゲルス監督は、流暢な日本語で、混沌のなか新シーズンを迎えたチームを再び正しい軌道に戻そうとしていた。彼と一緒にいる選手の数はそれほど多くはなかった。代表招集とケガで持ち駒の数が少なくっていたからなのだが、ナビスコカップを戦うチームの基礎は明らかに整っていた。

月曜日の練習でとりわけ目を引いたのは、新入団選手である梅崎司のセットプレーでの巧みさ。素早い動作から蹴ったボールがスワーブしながら壁を越える、いやらしいフリーキックを何発も見せ、キックの度にゴールキーパーをあわてさせていた。デビッド・ベッカムの技巧をずっと勉強していたのだろうか? どうやら、そのようである。

練習後、エンゲルス監督は非公式の記者会見を2度開いた。まずは日本語で、それから英語で。アジアチャンピオンの監督に電撃昇格したというのに、彼は極めてリラックスして見えた。
イベントが目白押しとなった前日の慌しさを自ら振り返ったときには、人間的な一面も見られた。「その日の午前中に昇格が決まり、午後は4時からの公式記者会見の準備をしていたから、練習後に子どもたちとぶらぶら過ごす計画が台無しになってしまったよ」。彼はそう語ったのである!

「子どもたちに納得してもらうため、事情を説明した」。
「子どもたちの最初の質問は、『ホルガーはどうしているの?』だった。とても優しい子たちだよ。彼らは、私が同じ経験をしたとき、私がどんな気持ちだったかを知っているんだ。こういう仕事なんだよ、と言うしかなかったね」

現実的な話をすると、日本語のできる人物が練習を直接指揮し、練習グラウンドやチーム・ミーティング、試合現場で通訳者を通じてメッセージを全員に伝える必要がなくなったことは、大きな意味を持つだろう。
さらに、エンゲルス監督は、何か不満があるときはメディアに伝えるのではなく直接自分に言ってくるよう選手たちに話すつもりでいる。ベテラン選手のオジェク批判がコミュニケーションの崩壊をもたらしたのを知っているからだ。

「隠す必要なんてまったくない。選手も知っているよ」とエンゲルス監督。
「私に直接言ってもいいし、コーチに話して、コーチから私に伝わるようにしてもいい。私は、1日24時間、彼らの話に耳を傾ける」

ただし、エンゲルス監督への批判はあまりなさそうである。クラブは建て直しの真っ最中。新監督は分け隔てのない好人物で、選手たちに敬愛されている。エンゲルス監督はフリューゲルスの消滅という挫折を味わい、さらにジェフユナイテッドと京都で解雇の憂き目に遭っているが、歴史が証明しているように、彼は生き残っている。そして、またも日本サッカーのトップに上り詰めたのである。

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