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2008年3月

成す術なしの日本が得損なったもの

2008/03/31(月)

2008年3月29日発:「日本は成す術がなかった」。バーレーンのミラン・マチャラ監督のその短いコメントがすべてである。これまでに何度か日本と対戦し、日本のサッカーを熟知している“中東の魔術師”のあまりにも厳しいコメント。しかし水曜夜、日本はアウェーのバーレーンに0−1で敗れ、6月まで続く4試合のグループ予選で自分たちにプレッシャーがかかる状況を作ってしまった。それがフェアな評価といえよう。
ピッチ上の日本代表はペースも上がらず、お疲れ気味。リーダーシップも経験も欠いていたように見えた。バーレーンのボールに対する素早いプレスに、ボールキープどころかリズムに乗ることさえできずに終わった。

マチャラ監督が語ったように例え“成す術がなかった”としても、日本だって“得るもの”はあったはずだ。試合終了まであと13分のところで、川口が重大ミスを犯すまでは…。スコアレスドローに持ち込み勝点1を得る。バーレーンだってその結果に十分満足したはずなのだ。
主導権も握れず、単調な攻撃ばかりの日本だったが、それでも後半にはゴールを挙げるチャンスが二度あった。
バーレーンがゴールを挙げる前には駒野が右サイドから上げた絶妙なクロスを大久保が決め損ね、バーレーンが先制した後には阿部が、やはり決め損なった。これらの決定的なチャンスを決められなかったのは、技術的な問題ではなく自信の欠如というべきだろう。

彼らの不甲斐ないプレーと試合結果が影響したのかはわからないが、翌日の国立競技場でのU−23日本代表のアンゴラとの親善試合の観客はわずか1万2,718人。しかし少なくとも、観戦した人々には、強豪と対戦するU−23代表選手のエネルギーと大望が見えたはずである。
特にMF中央、細貝と青山敏弘のコンビに、私はあらためて感心した。反町監督のオリンピック代表メンバー18名への生き残りを賭け、頑張ってきたのだろう。ボールを追い、攻撃を阻止し、そしてボールを奪って攻撃選手にボールをフィードしつつチームを動かし続けた。
試合終盤には、細貝はまるで闘莉王のように相手ペナルティエリアで体を張ってプレーしていた。リードを守りきれず同点に終わったのは残念だが、彼らは胸を張って競技場を後にしたし、サポーターたちも彼らを誇りに思うことができた。
前夜のバーレーンでは、こうはいかなったのだが…。

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勝点1なら悪くない

2008/03/27(木)

2008年3月27日:日本代表は水曜夜にバーレーンでワールドカップ3次予選を戦うが、この試合が岡田武史のチームにとって厳しい試練となることは確かだろう。
3次予選の6試合のうち今回が日本にとって最も難しい試合になることは、ずっと前から分かってはいた。現状では、引き分けて、雪の埼玉でタイから奪った勝点3に積み上げられれば悪くない結果ということになるのだろう。仮に日本が負けたとしても、まだ残り4試合。なんとかグループ2位以内に入り、10チームが2組に分かれて戦う最終予選進出の10チームの枠に入るのは可能だろう。

バーレーンでのアウェー戦後、残りの4試合はすべて6月に行なわれる。まず2日にホームでオマーン戦があり、次にアウェーでのオマーン戦(7日)。さらにアウェーでのタイ戦、ホームでのバーレーン戦(22日)が予定されている。
この連戦への準備として、5月にキリンカップの2試合が組まれている。岡田監督には、ヨーロッパから招集した選手をチームに馴染ませるチャンスが充分にあるということだ。
それでは誰を呼ぶのかということになるのだが…私は、岡田監督が今回のバーレーン戦に中村俊輔を招集しなかったのが、今なお残念でならない。中村の招集は所属クラブであるセルティックでのプレーに“専念”させるために見送られた、という記事をあちこちで見かける。だが、水曜日の予定はどうなんだ?

中村は日曜にセルティックの一員としてグレトナ戦に出場した。土曜日にはレンジャーズとのオールドファーム・ダービーに出場する予定となっている。しかし、だからといってバーレーン戦に出場できないということはない。
中村を招集しなかったのは、“クラブに専念”させるためではなかった。岡田監督が準備に時間をかけたかったからで、試合の2日前に中村を練習に参加させることを望まなかったからだ。

私自身は、例のグレタナ – セルティック戦の有無に関わらず、岡田は中村を選ぶべきであったと、理由を挙げてすでに書いている。だから、ここで同じ理由を書くのは止めておこう。
中村は、月曜、火曜、そして水曜をグラスゴーでぶらぶら過ごすのだろう。だがその間に日本代表はさほど離れていないところでワールドカップ予選を戦い、他の選手たちは国際試合が組まれている週であるため世界中を飛び回り、自国のためにプレーしようとしている、と言えば充分だろう。
実際のところ私には、日本のテレビ局あるいは新聞が、セレブ解説者として俊輔をバーレーンに招待しなかったことのほうが驚きである!

今夜? 私の予想は0−0だ。両チームともグループでの初戦を勝っているし、最終予選に進出する可能性が最も高い2チームと見られている。したがって、優先順位はグループ最大のライバルにこんなに早い時点で負けないようにすることとなるだろう。

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リズムが掴めないフロンターレの“ファブ・4”

2008/03/24(月)

2008年3月21日:リーグ開幕から3試合(ナビスコ杯も含む)。現時点でフロンターレの“ファブ・4”がいまだにゴールを挙げていないなんて、誰が予想していただろうか。
ジュニーニョ、鄭大世、我那覇和樹、そしてフッキの4人が揃ってノーゴール。これまでのフロンターレの2ゴールはMF森(ヴェルディ戦)と大橋(ヴィッセル戦)によるものだ。ところで、大橋のゴールは素晴らしかった。惜しむべきはその時点でチームは0−4だったということだ。

そして木曜の午後、寒さと雨、そして強風で荒れ模様の等々力スタジアムでジェフ千葉と対戦したフロンターレは、千葉DFにノーゴールに抑えられ、そしてカウンターで2ゴールを失うという散々な試合だった。
興味深いのは、フロンターレの関塚監督がチーム名を“カミカゼ・フロンターレ”とでも変えた方がハマるような総攻撃体制のスリートップを早々に諦めてしまったらしいことだ。千葉戦では本来の3−5−2に戻し、我那覇とジュニーニョをトップに、鄭大世をベンチに置いた。そしてフッキは故障。
フロンターレに詳しいある人物は、フッキの故障は精神的なもので、ゴールが挙げられず、かつてヴェルディでキングとして君臨したのが嘘のように自信を喪失していると言う。
本当なのだろうか? 超人ハルクが凡人ハルクになってしまったのというのだろうか?

アジアチャンピオンズリーグの出場もなく、確立された基盤の上に爆発力のある攻撃陣が揃った今年のフロンターレは強い。私はそう思っていた。もちろん、30試合以上のリーグ戦を残し、ナビスコカップの予選グループ戦では千葉を逆転可能な5試合を残している。まだまだ挽回は可能だ。
とはいえ、ジェフ戦ではスピードとインサイドのパワーゲームで相手をねじ伏せるようないつものフロンターレではなかった。
我那覇はまったくペースが上がらず、交代出場した鄭大世はボスナーのタックルにしてやられ、さらには後半から出場した19歳、米倉には憲剛不在のフロンターレMF相手に自由にカウンター攻撃を組み立てられていた。

この米倉はおもしろい選手だ。
チームを去った“五井ギャラクティコ”羽生と同じ背番号(22)、同じ出身校、同じポジション(攻撃型MF)。ただ、体型だけが違う。羽生がワンマン駅伝チームのように走り回ってポジションを取るのに対し、米倉はピッチ上重要なエリアで体を張ってポジションを取る。
一方、フロンターレの最大の見せ場は、大橋の強風を利用して内側に曲げたコーナーキックでGK立石を爪先立ちにさせたことぐらいだろうか。

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エンゲルス監督の七転び八起き

2008/03/20(木)

2008年3月18日:波乱の土曜日と騒乱の日曜日が過ぎ去った月曜日、大原サッカー場の様子はまったくいつも通りだった。前日に容赦なく解雇されたホルガー・オジェク前監督はすでに過去の人。ゲルト・エンゲルスが“またも”スポットライトの中央にいた。
クリップボードを手に持ったエンゲルス監督は、流暢な日本語で、混沌のなか新シーズンを迎えたチームを再び正しい軌道に戻そうとしていた。彼と一緒にいる選手の数はそれほど多くはなかった。代表招集とケガで持ち駒の数が少なくっていたからなのだが、ナビスコカップを戦うチームの基礎は明らかに整っていた。

月曜日の練習でとりわけ目を引いたのは、新入団選手である梅崎司のセットプレーでの巧みさ。素早い動作から蹴ったボールがスワーブしながら壁を越える、いやらしいフリーキックを何発も見せ、キックの度にゴールキーパーをあわてさせていた。デビッド・ベッカムの技巧をずっと勉強していたのだろうか? どうやら、そのようである。

練習後、エンゲルス監督は非公式の記者会見を2度開いた。まずは日本語で、それから英語で。アジアチャンピオンの監督に電撃昇格したというのに、彼は極めてリラックスして見えた。
イベントが目白押しとなった前日の慌しさを自ら振り返ったときには、人間的な一面も見られた。「その日の午前中に昇格が決まり、午後は4時からの公式記者会見の準備をしていたから、練習後に子どもたちとぶらぶら過ごす計画が台無しになってしまったよ」。彼はそう語ったのである!

「子どもたちに納得してもらうため、事情を説明した」。
「子どもたちの最初の質問は、『ホルガーはどうしているの?』だった。とても優しい子たちだよ。彼らは、私が同じ経験をしたとき、私がどんな気持ちだったかを知っているんだ。こういう仕事なんだよ、と言うしかなかったね」

現実的な話をすると、日本語のできる人物が練習を直接指揮し、練習グラウンドやチーム・ミーティング、試合現場で通訳者を通じてメッセージを全員に伝える必要がなくなったことは、大きな意味を持つだろう。
さらに、エンゲルス監督は、何か不満があるときはメディアに伝えるのではなく直接自分に言ってくるよう選手たちに話すつもりでいる。ベテラン選手のオジェク批判がコミュニケーションの崩壊をもたらしたのを知っているからだ。

「隠す必要なんてまったくない。選手も知っているよ」とエンゲルス監督。
「私に直接言ってもいいし、コーチに話して、コーチから私に伝わるようにしてもいい。私は、1日24時間、彼らの話に耳を傾ける」

ただし、エンゲルス監督への批判はあまりなさそうである。クラブは建て直しの真っ最中。新監督は分け隔てのない好人物で、選手たちに敬愛されている。エンゲルス監督はフリューゲルスの消滅という挫折を味わい、さらにジェフユナイテッドと京都で解雇の憂き目に遭っているが、歴史が証明しているように、彼は生き残っている。そして、またも日本サッカーのトップに上り詰めたのである。

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俊輔を外したのは岡田監督のミス?

2008/03/17(月)

2008年3月14日:金曜午後に発表されたバーレーン戦(3月26日)に向けた中東遠征メンバーについて、いくつか話したい。
まずは稲本の招集。中盤を強化したい日本にとって、これは歓迎すべきことだろう。次に玉田。復調しているのなら、使わないテはない。ワールドカップ、ブラジル戦でのゴールは誰もが鮮明に覚えている。
そして、俊輔の招集見送りだ。これについては賛否両論。いや、どちらかと言うと否定的な見方が多い。

今回の見送りについて、ある人は、3月15日、18日、23日とセルティックでの試合を、ワールドカップ予選の3日前にはグレトナでのアウェーゲームを控えているのが理由だという。チームに合流して2セッション、ひょっとすると1セッションしかトレーニングできないかもしれないタイトなスケジュール。そんななか、わざわざ招集することもないと。
他方、俊輔は好調で良いプレーをしているし、グラスゴーから中東なら日本から行くより近い。岡田監督は俊輔を招集すべきだったという意見もある。

スケジュールがキツイのはわかるが、私はそれでも、岡田監督は俊輔を招集すべきだったと思う。日本代表のミッドフィールドが完璧というわけではあるまい。稲本がタフさと中央からの突破力を加えてくれるとはいえ、それでも俊輔の力は必要とされる。
この一戦はタフなゲームになるだろう。
素晴らしいフリーキック、中澤のヘッドにどんぴしゃりと合わせるコーナーキック、飛び出した玉田へのスルーパス、そして弧を描いてキーパーを避けるようにネットへ刺さるシュート。これらの中村のワンプレーが全てを変える可能性があるのだ。

それに加え、この21名は全員が初日から集結するわけではなく、準備も各自バラバラとなる。メンバーの多くは月曜日にドバイへ向け出発するが、ガンバとアントラーズの5名は水曜のアジアチャンピオンズリーグを終えてから金曜に。フランクフルトの稲本は木曜に合流する。そこからチームは数日かけ、徐々に準備することになる。
こうした状況とこの試合の重要性を考えるとき、俊輔を呼ばないのは岡田監督のミスのような気がする。どうやら、バルセロナとはプレーできるがバーレーンとはできないということらしい。

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オレンジ・ダービーを制したのは黄色い恐怖

2008/03/13(木)

2008年3月12日:土曜日にはアルディージャ対アルビレックスの「オレンジ・ダービー」が大宮で行なわれたが、アルディージャの勝利に貢献したのは黄色い恐怖だった。
アルディージャが2−0でアルビレックスを退けたその試合、軽やかな足どりと目にも鮮やかな黄色のシューズで、ペドロ・ジュニオールが只者ではないことを立証した。このブラジル出身の21歳のフォワードは、素早い動きと賢さでアルビレックスのDF陣に仕事をさせず、自身初ゴールでもある先制点を決めたほか、2点目のシーンでも相手DFを振り切ってからのシュートで小林大悟のゴールをお膳立てした。

前半に2点をリードされたアルビレックスは、後半早々から大宮DFに波状攻撃を仕掛け、ゴール裏に詰め掛けたサポーターの近くまで突き進んだ。しかしその初期の猛攻でもゴールラインを割ることができず、大宮が逃げ切りそうな雰囲気となった。
全体的に見れば、この試合ではアルディージャが改修されたNACK5スタジアム大宮で完璧なスタートを決った。ファンも、これからのシーズンに向けての自信を心のなかに芽生えさせたに違いない。ホームゲームのために埼玉県内を旅行していた時代が終わり、シーズン当初から本当のホームグラウンドを持てただけでなく、ついに海外から優秀な選手を獲得できたかもしれないのだ。
今年がJ1での4度目のシーズンになるが、これまでの最終順位は13位、12位、15位と、J1の安定勢力と呼べるほどにはなっていない。チームに密接に関わってきた人なら誰でも、その主な原因は失敗続きの外国人選手獲得にあると知っている。こうした失敗が常に、アルディージャのJ1での足かせとなっていたのである。

かつて監督を務めていた三浦俊也氏は、たとえ相手が大分でも、両チームの外国人選手を比べては愚痴をこぼしていたものだ。それは昨年のロバート・ファーベックも同様。誰か、覚えているかな? アリソン、エニウトン、サーレス…まあ、これくらいにしておこう。ただし、レアンドロは2007年に守備の要となり、今シーズンも順調なスタートを切った。また、ペドロ・ジュニオールとデニス・マルケスが入団したのは昨年の8月だった。

昨シーズンの後半は、デニス・マルケスの方がペドロ・ジュニオールより良さそうな印象を受けたのだが、アルビレックス戦はベンチだったし、その前のプレシーズンマッチではペドロ・ジュニオールがなかなかのプレーをしていた。
外国人が少しばかり安定した状態でシーズンを迎えられたことは、経験豊かな選手が揃っているチームを引き継いだ樋口靖洋新監督にとって大きな安心材料となっているはずだ。
開幕戦では、ペドロ・ジュニオールが黄色いブーツでの華々しいステップで大宮を勝利に導いた。アルディージャ・ファンは、彼がすごいゴールを決めるコツ(英語で“knack”)を知っていて、それをNACK5スタジアムで発揮して欲しいと思っていることだろう。

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J1の“スーパーリーグ”、優勝候補はレッズ

2008/03/10(月)

2008年3月7日:Jリーグの優勝を予想するのは難しい。そう、たとえシーズン最終日であっても。
シーズンの開幕前日になんて、これはもうほとんど不可能? いや最近流行りの言葉でいうと「不可能なんてあり得ない」だ。だって、2008年のチャンピオンはJ1“スーパーリーグ”の中から出るのだから。
ここで私が言う“スーパーリーグ”とは、レッズを筆頭にガンバ、アントラーズそしてダークホースのフロンターレの4チームだ。この4チーム以外に優勝争いに加わってくるチームは、たとえば、中村俊輔が夏にF・マリノスに復帰しチームを小笠原流に変身させるとか、そんなことが起きない限りおそらくないだろう。

ワシントンの得点力、MF長谷部のゲームメイク、そして小野の技を失いはしたが、今シーズンの私の一押しは浦和レッズだ。さらに、故障中の三都主とロブソン・ポンテは復帰までまだ数週間かかる見込みで、浦和としては良いスタートが必要になってくるだろう。
冬の間、レッズは良い補強ができた。高原とエジミウソンは良いコンビになるだろうと確信している。これまでのワシントンのワンマンショーではなく、彼ら2人でゴールを競いつつ挙げていくだろう。また梅崎の加入も大きい。積極果敢な攻撃型MFの彼は行動範囲も広く、中盤を攻撃にうまく結びつけてくれるはずだ。

自陣深くからの疾走でレッズサポーターの人気も高かった長谷部。浦和では彼の可能性を十分に活かしきれていなかったように思う。彼にはゲームをがっちりと握り、支配する能力があるのだ。とは言え、チームの核として阿部と鈴木啓太のコンビは彼の移籍で開いた穴を十分埋められるはずだ。すなわち、ディフェンスのカバーだけでなく攻撃がうまく機能するための基盤が揃った。トータルで見て、レッズの中盤はより強力になったと言える。
レッズは各ポジションに2人の選手がいる。さらに、ガンバやアントラーズと違いアジアチャンピオンズリーグで準々決勝まで試合を行なわなくて済むのだ。

一方、昨シーズン不本意な成績に終わったフロンターレだが、今シーズンは優勝争いに加われるだけの戦力は揃っている。爆発力のあるフッキがチームに新たな側面を持たせ、山岸がミッドフィールド左サイドを引き締める。ここ数シーズンの安定感に加え、フロンターレの今回の強さは本物だ。
昨年はガンバを優勝候補としたが、だとしても、私の優勝候補はレッズである。

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テレビの役割とは

2008/03/06(木)

2008年3月5日:英語にほとんど非の打ちどころがない、鹿島アントラーズのオズワルド・オリヴェイラ監督が、どの試合のあともメディアに対してコメントする様子は、まるでコメント製造機のようだ。
土曜日のゼロックススーパーカップ後も、彼はとりわけ調子がよかった。この試合は、ある英字新聞ではゼロックス・スーパーメス(スーパー騒動)と表現されていたが、まさにその通り。オズワルド監督の鋭い洞察には、このような問題でテレビが担っている役割――むしろ、どちらかというとテレビが担っていない役割――に関するものも含まれていた。私も以前に書いたことがあるのだが、この地でのテレビ局のアプローチは、イングランド、それからおそらく他のほとんどすべての国とは大きく異なっている。
オズワルド監督は、議論の的となる出来事が「やり過ごされ」、画面が次の瞬間にあっさりと「飛ぶ」ことがよくあると指摘した。スローモーションの再生なしに。分析もなしに。議論もなしに。誰が正しくて、誰が悪かったのか?

土曜日の試合のスポーツニュースは、ファウルの大盤振る舞いを受け、レッドカードから認められないゴール、ペナルティ・キックの裁定からキックのやり直し(両サイド)まで、そしてもちろん稀にしかないピッチへの侵入事件までを徹底的に切り刻み、消費した。
週末のサッカー番組でこのような瞬間をさまざまなアングルから繰り返し繰り返し再生し、レフェリーの誤審と思える事例(久保のペナルティ)を映すだけなく、レフェリーと彼のアシスタントが正しかった事例、たとえばクロスを出す前に新井場に対するオフサイドを示すフラッグがはっきりと上げられていた前半の田代のゴール取り消しも放送すれば、エンターテインメントになるし、教育的でもあるのではないだろうか? オフサイドを犯したのは、田代ではなかったのである。

最初に見たときには、レフェリーの判断の多くが誤っている、あるいは厳しいように思えるものだが、リプレーにより審判が正しかったことが判明することも多い。たとえば、イングランド・プレミアリーグの実況アナウンサーがレフェリーに謝罪し、実際にはレフェリーの裁定が素晴らしかったと認めたことも幾度かはあった。

土曜日には問題があまりも大きくなり、何が何だか分からない状態になっていた。テレビの評論家たちによる徹底的な議論そして分析があれば多少は助かっただろう。しかし、そんなことはありえない。日曜早朝に私が見たG+チャンネルでの再放送はPK戦後の大混乱を無視。佐藤寿人のヒーロー・インタビューに焦点を当て、背後で起こっていたドラマと騒ぎは完全に蚊帳の外であった。
オズワルド監督は両チームに公正な評価をしようとし、サンフレッチェへのレッドカードもアンフェアであると思うと語りながら、PK戦でダニーロと本山が失敗したときにはサンフレッチェのキーパーの方が、曽ケ端がストヤノフと斉藤のキックをセーブしたときよりもゴールラインの前に出ていたと指摘した。
議論を行ない、結論を得るには格好の話題だが、私が試合後に見た土曜日と日曜日の番組では、それらすべてが、オズワルド監督の言うように「やり過ごされて」いた。

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Jリーグスーパーマーケットは大盛況

2008/03/03(月)

2008年3月1日:ボールを蹴ることなく、サッカーシーズンのハイライトの一つが終了した。
金曜午後、ザ・プリンスパークタワー東京で「2008Jリーグキックオフカンファレンス」が開催され、全33チームから監督、選手が集まった。そこには大久保、岩政、鈴木啓太、下村、玉田、そして徳永の姿もあった。あるJリーグの役員はこのイベントを、メディアにとってシーズン・プレビューのための“スーパーマーケット”のようなものと表現していたが、この豪華なイベントに700名をこえるメディアが集まった。

イングランドのフットボール・ライターズ・アソシエーション(フットボール記者協会)主催の、シーズン終了後にロンドンで行なわれるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーの授賞式以外に、このような華やかなイベントは記憶にない。これらのイベントには選手や監督が大勢参加するが、公式行事というよりはむしろ、ディナーテーブルを囲んで談笑したり、リラックスする非公式なものだ。

もちろん、イングランドと日本では事情が異なる。
サッカーが生活の一部でメディアが常に注目しているイングランドでは、このようなシーズン前の盛大なイベントは必要ない。施設がどんなに貧弱だろうが、メディア対応がどんなに無愛想でも、そして時として監督や選手がどんなに取材に対して非協力的であっても、メディアは群がってくるのだ。
一方、Jリーグはサッカーを確立させるために、歴史と伝統溢れる野球や相撲に夢中になるメディアを勧誘し、しっかり捕まえる必要がある。そういう点において、Jリーグは非常にうまくやってきたと言える。33チームのカラフルなブースでは豊富な情報が提供され、金曜日は大盛況だった。

カンファレンスのメインテーマは、2010年までに年間総入場者数を1100万人にするという目標を掲げた 「イレブンミリオン・プロジェクト」。昨年の数字は880万人。目標を達成するには毎シーズン7%の観客増が必要となる。今年の目標は、J1、J2、ナビスコカップ、そして3チームが出場するアジアチャンピオンズリーグの各ホームゲームを併せて950万人。おそらくそれは達成できるだろう。
日本のスポーツ界において、Jリーグは着実に地位を築いてきた。だが、将来Jリーグがこの華やかな「スーパーマーケット」を閉店することは私には想像できない。

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