ジェフの光明
2008年2月27日:最初の印象が誤っている場合がある。とりわけ長期にわたる戦いが始まる前には――。
しかし、土曜日のフクダ電子アリーナでのジェフユナイテッド千葉を見れば、冬にチームの戦力の半分を失った今シーズンも、多くの人が予想しているほど苦しいものにはならないかもしれないと思えてくる。
ホームにレイソルを迎えた「ちばぎんカップ」でのプレーは活気とエネルギーに溢れ、選手たちは自分たちの実力を証明しようとしているように見えた。それは1つの時代の終わりというよりは、新しい顔ぶれを起用する機会を得た、新しいチームのスタートのようだった。
試合後、ヨジップ・クゼ新監督もこの点を認識していたようで、チームが順位表の下のほうに沈む危険はない、とジェフのファンを元気づけた。時間はかかるかもしれないが、チームにはかなりの潜在能力を持つ、優秀な若手選手が何人かいるし、自分には「本格的な」チームを作るのに充分な経験がある、と彼は語った。
さらに、その場にいた誰もが気づいたように、チームにはエディ・ボスナーがいる。
身長191センチ、体重88キロ。坊主頭のオーストラリア出身のこのセンターバックは、ゲームがとてもよく見え、左足のすさまじいフリーキックも持っている。12,933人の観客のなかにいたジェフの熱狂的ファンは、レイソルの選手たちを仰天させたらしいざっくり切り裂くタックルを見て、すっかり彼が気に入ったようだ。また、今シーズン、彼の荒々しいスタイルに対するレフェリーの対応方法も興味深い。レフェリーには、ファウルとハードタックルをはっきりと見極め、相手選手のリアクションではなくタックルそのものから判断を下して欲しいと思う。
バックの水本と、水野、佐藤、羽生、山岸という中盤の4人組を失ったジェフでは、欠けた部分をボスナーが早急に補う必要があるだろうし、同じことが斉藤や、出戻りの坂本、ニューリーダーの下村(私の昨年度のジェフのMVP)のようなベテラン選手、そして復調したときの巻にも求められるだろう。
巻が不在の日曜日の試合、クゼ監督は4−1−4−1のフォーメーションで中島を4バックの前の中盤の底に起用、レイナウドをワントップにした。監督が大きな期待をかけているのは野洲高校出身の青木孝太。彼はその試合ではじめは中盤の左サイドでプレーし、途中からはトップ下でプレーした。
野洲高校時代の活躍、そしてJ1での時折の出場を見た者ならわかるように、青木は素晴らしい左足を持っている。クゼ監督は、20歳にして「偉大な」選手になる素質を持っていると感じているらしい。
ジェフには、いつだって明るい面がある。スター選手はいなくなったが、その抜けた穴はすぐに埋められている。正直言って、現時点では入れ替わった選手が抜けた5人に匹敵するとは言えないけれど。ただし、6人あるいは7人の選手を故障で欠いていた土曜日の試合を観ればわかるように、現時点でのジェフの前途は明るい。
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