トータルフットボール、トータルジャパン
2008年1月5日:日本代表監督に復帰して以来、岡田武史監督のコメントには彼の本心が随所に見られる。まず最初に選手たちに、目標はワールドカップ史上アジアのチーム最高の成績を残すこと、つまり2010年南アフリカワールドカップで3位以上に入ることだと告げた。さらに正月のインタビューでは、1974年に“トータルフットボール”としてサッカー史上にその名を刻んだオランダチームのように、史上に残る“ジャパン”ブランドのサッカーをしたいと語った。
もちろん彼の意図は、名将リヌス・ミケルスの戦術を真似ようということではない。そのためにはクライフ、ニースケンス、ファンハネヘン、ハーン、クロル、レップ…今でも名前がすらすらと出てくるような荘々たる顔ぶれの名選手の発掘、さらにはオレンジ・マジックが必要になる!
それよりはむしろ、日本らしいスピード、動き、パス回し、そして組織力を活かしたユニークなサッカー、オシム監督指揮下の日本代表がアジアカップで垣間見せたあのサッカーを完成させようということだろう。
南アフリカに向けてのタフな道のり(最低14試合、最高18試合)を控えた岡田監督からのなんという力強く野心に溢れた言葉だろう。
タイ、バーレーン、そしてオマーンを相手に日本はアウェーでもホームでするのと同じように主導権を握らねばならない。それだけでなく、プレーによりシャープさを加え、より積極果敢にゴールを狙っていく必要がある。
であるからこそ、私は大久保が今年一番注目の選手、高原のJリーグ復帰、レッズ移籍は岡田監督と日本代表にとって大きなボーナスだと思うのである。
高原は代表チームでの地位を危機に晒しながら、ヨーロッパのベンチで時間を無駄にする必要などない。埼玉スタジアムの5万人のファンや日本各地の満員のスタジアムでプレーできるのだ。高原のJ復帰で、アウェー戦でも数千人のファンが増えるだろう。何より、代表監督の目の届くところでプレーし、スケジュールだって合わせることができる。
非常に大事な時期を迎える日本サッカー界にとって、高原の復帰は賢明な選択だったと言える。そう、“トータルジャパン”の実現に向けて…。
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