豪州代表監督の座に就いたピム氏
2007年12月8日:オーストラリア・サッカー協会にとって、代表チームの新監督選出は難しい選択だったに違いない。最終候補の2人は日本のサッカーファンにも馴染み深いフィリップ・トルシエ氏とピム・ファーベーク氏。最終的にファーベーク氏が監督に就任、2010年南アフリカ・ワールドカップの出場を目指す。
一方、トルシエ氏は自身のキャリアの建て直しを今しばらく待たねばならない。日本での良き4年間の後、2002年に日本を去ってからというもの、彼は思うように事が運んでいない。
トルシエ氏がベルティ・フォクツ氏とともにスコットランド代表監督の最終候補に挙げられていた数年前、私はスコットランドサッカー協会(SFA)にコンタクトを取った。もちろんSFAは、“トルシエ氏かフォクツ氏かの二択だった”とは認めないだろうが、そのとき私は、トルシエ氏がスコットランド代表チームの建て直しには適役だと話した。
彼は日本代表チームでしたように、才能ある若い選手を発掘し、代表チームのシステムにうまくはめ込むことに長けている。時に不可解なこともあるのだが…。
さて、話をピム氏に戻そう。彼はサッカー界でも指折りの“ナイスガイ”だ。関わりを持った誰もが、それを証言してくれるだろう。
ピム氏は1999年にJ2の大宮、翌2003年にはJ1の京都を率い、また2002年ワールドカップではヒディンク監督のアシスタントを、そして2006年ワールドカップではアドフォカート監督のアシスタントを務めた。
韓国滞在時、彼は日本でプレーする韓国人選手をチェックするため定期的に来日していた。彼とコーヒーを飲みながら話すのは、いつも楽しかった。
アジアのサッカーを熟知し、特に日本と韓国に関する知識は南アフリカへの長い道のりには非常に役に立つ(日本の場合少なくとも14試合、最終予選で3位になった場合はプレーオフを含めて18試合を戦う)。
オーストラリアのトッププレーヤーのほとんどはイングランドのプレミアリーグでプレーし、イングランドは母国オランダに近く、とても便利だ。
しかし、ピム監督はオーストラリアに住み、Aリーグの選手たちでチームを組み立てると言う。もちろん彼の言い分はもっともである。ヨーロッパに住んでいればヨーロッパの選手には目が届く。しかし、オーストラリアの選手たちには行き届かないからだ。
サッカー人気が盛り上がったいま。彼はとても良いタイミングでオーストラリアへ行く。何より、日本や韓国のように言葉の障壁がなく英語でコミュニケーションがとれるのがいい。
日本の誰もが、ピム監督の活躍を祈ることだろう。もちろん日本が出場を決めたら、の話ではあるが…。
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