そろそろMVPの季節だけれど…
2007年12月5日:浦和レッズがまさかの敗北を喫し、鹿島アントラーズが優勝という信じられない結末となり、2007年のJリーグMVPの選考もわけがわからない状況になっている。
Jリーグには傑出した資質を持った選手が何人かいるが、私自身は、MVPはつねに優勝チームから選ばれるべきだと考えている。
レッズがそのまま優勝していたら、ロブソン・ポンテが有力な候補だったろうし、鈴木啓太と阿部勇樹も候補に入っていただろう。とはいえ、12月17日のJリーグ・アウォーズの夜、このなかの1人が受賞者になっている可能性もなきにしもあらず。
しかし、私の選ぶMVPは鹿島の選手。このクラブでも候補を3人に絞り込んでいる。第1候補は、自らの実力を発揮しただけでなく、若く、経験不足の選手が起用されることのよくあったフォワード陣を牽引することでもチームに貢献した、Jリーグの渡り鳥・マルキーニョスである。マルキーニョスは敏捷に相手ディフェンダーを抜き去るプレーが特色だが、素晴らしいゴールもいくつか決めている。
候補の2番手は、小笠原満男になるだろう。もちろん、彼が鹿島でプレーしたのは、イタリアから戻ってからの半シーズンだけだ。しかし、アントラーズは彼抜きでも優勝していただろうか? 小笠原の貢献と影響力なしで、アントラーズはチームとしてあんなに成熟、発展し、9連勝を飾っただろうか?
2つの疑問に対する答えは、間違いなく「ノー」だ。だからと言って、私がシーズンMVPとして小笠原を選ぶということにはならないのだが。
ということで、3番目の候補に話は移るが、この選手が私の最有力候補となりそうである。その選手の名前は、岩政大樹。
この大柄のセンターハーフは私の好きなタイプの――行動で範を示し、全身全霊でプレーする、相手にとって手強い――選手だ。言い換えれば、岩政はアントラーズの伝説・秋田の後継者となる資質を持つ選手なのである。ちなみに、秋田は今シーズン、京都で引退を表明したが、彼のスピリットは岩政の姿を借り鹿島で今も息づいているのだ。
岩政にはこれ以上の褒め言葉は必要ないだろうし、今シーズンのアントラーズの戦う姿勢を具現化したのが彼だと思う。
ここ2シーズンは闘莉王(浦和)と中澤(横浜FM)がMVPを獲得しており、ディフェンダーにも正当な評価が下されるのが立証されている。今回、私が選ぶのは、岩政になりそうである。
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