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陰のヒーロー、青山敏弘

2007/11/26(月)

11月23日:成功しているチームには、スターの存在がつきもの。しかし、U−22(22歳以下)日本代表の場合はどうだろう?
「チーム自体がスターなのだ」。かのフィリップ・トルシエ元日本代表監督なら、誇らしげにそう言うに違いない。北京五輪の出場権獲得が最大の勝利であると位置づけられたこの年代の選手たちにとって、それは言い得ている。

しかしながら、スター選手がいないというのはそれほど悪いことなのだろうか? このチームには賞賛に値する陰のヒーローが何人もいる。
あえて一人を選ぶとすれば、私はサンフレッチェのMF青山敏弘を挙げたい。なかでも9月に行なわれたホームでのカタール戦(1−0)の勝利は、途中出場した青山敏の貢献が非常に大きい。彼は見事な使命感と読みでタックルあるいはインターセプトを繰り出し、カタールの攻撃を寸断した。派手さはないが、これぞ集中力と練習の成果だ。

そして水曜の夜、サウジアラビアの決定的チャンスをゴールラインでブロックし、日本代表を救った。あの早い時間帯に得点を許そうものなら、結果はまったく違ったものになっていただろう。そうなればサウジアラビアはリードを守ることに努め、スポーツマンシップやサッカーのプレーは欠如し、茶番劇と化していたと思う。5分毎に担架が運び込まれ、GKも、CKやFKがサウジのゴールエリアに蹴りこまれる度に倒れこんだことだろう。日本にとって、先制点を奪われることは許されなかった。
そう、青山敏の貢献は日本チームだけでなく、試合そのものを救ったのだ。このほか細貝も、彼と並んで中盤でチームに堅固さ、経験、そして活力を与え、良いプレーをしていた。今シーズン、レッズの好調で大きな自信を得たようだ。

北京五輪の出場権獲得は大きな成功と言えるが、チームとしての完成にはまだ遠い。反町監督はそれを誰よりもよく理解している。だが反町監督にはまとまりのあるチーム、努力を惜しまないチーム、そして予選を通して大きく成長しタフになったチームがある。だからこそ、たとえスターがいなくとも十分なのである。

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