ジュニーニョみたいなフィニッシュ
8月15日:ジャーン・カルロ・ウィッテがFC東京で全盛期にあったとき、私はよく「彼は日本の若き選手がお手本にすべき、理想的なディフェンダーである」と思ったものだ。
ジャーンは90分にわたりディフェンスの方法を講義した。空中戦でも地上戦でも闘争心に溢れ、積極的で、ボールをクリアすべきとき、パスすべきとき、さらに一気に攻め上がり攻撃陣を支援すべきときを知っていた。
フォワードの選手に目を移すと、土曜日には、別のブラジル人選手が上級者向けのレッスンをしていた。このときの教科は、「ゴールを奪うコツ」。
フロンターレがフクアリでジェフを3−1で破った試合。ジュニーニョのハットトリックは彼の無駄のなさと決定力を際立たせるものだった。ジェフ・ディフェンスの隙間を縫うように長い距離を走り回ることもなく、飛距離30メートルの電撃シュートがゴールの隅に突き刺さることもなかったが、3つのゴールが、まったく別々のスタイルで、精密に決められた。
最初は、立石が辛うじてボールを弾いたあとに至近距離から決めたもので、先を読む能力とポジショニングの良さで奪ったゴール。ジュニーニョは適切なときに適切な場所にいて、そのような瞬間が来るのに備えていた。簡単なゴールに見えたが、そう見えるようにするには、まずゴールを決められる場所にポジションをとっていなければならないのである。
2つめは、自信と即興性で決めたものだった。足の振りをできる限り小さくし、つま先でボールを突いたようなシュート。私は、ロマーリオあるいはロナウドみたいだなと思った。まばたきする間の出来事。シュートの直前、ジュニーニョはペナルティエリアの中にいて、2人のディフェンダーにマークされていた。しかし次の瞬間には、ボールがゴールの隅のネットを揺らしていた。2002年のワールドカップ準決勝、埼玉、トルコ戦でのロナウドじゃないか?
私のお気に入りは3つめのゴール。右サイドを進んできたジュニーニョは、いとも簡単そうにボールを受けると、ファーサイドに低い弾道のシュートを放ち、またも立石にまったく仕事をさせなかった。
このゴールは、類まれな才能が生みだしたもので、仲間のプロ選手を含め、あらゆる年代の選手たちのお手本となるものだった。
「ベッカムみたいなカーブボール」があるのなら、「ジュニーニョみたいなフィニッシュ」があってもおかしくないほどである。
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