ストヤノフ問題:ジェフのただ1つの解決策
6月29日:イビチャ・オシムが去り、そして祖母井GMと阿部主将が去り、チームは転落していった。
そして今度は、ストヤノフがチームを去る。
ジェフ千葉にとって、この12ヶ月は惨たんたるものだった。非常に寂しいことだが、チームがストヤノフ問題を解決するには契約解除しかなかった。ストヤノフはアマル・オシム監督とチームについて批判し、それについての謝罪を拒否した。こうなってしまっては、チームにはもうストヤノフを放出するしか道がなかった。
今シーズン、特に5月26日のガンバとのホームゲームの敗戦で、アマル・オシム監督の解雇は近いと感じていた(考えすぎかもしれないが…)。
しかし、いったんストヤノフが公にそれを口にしてしまったら。チームとしては、“反乱”したイチ選手の望み通りのことをするわけにはいかない。チームを経営しているのは経営陣ではなく、選手であるかのように見えてしまうからだ。
事態がこう着状態に陥った時、その選手がどんなに良い選手であろうと、ファンから絶大な支持を受けていようと、チームはまず、そういう“反乱”選手をチームから放出するという強い態度を示さなくてはならない。
そうして、ジェフからまた1人離れていく(チーム内のイザコザ。ホームでのまたもやの敗戦といえるかもしれない)。
ストヤノフはもちろん、今でも素晴らしいサッカー選手だ。気持ちのうえでは、私は彼の熱烈なファンクラブ会員であったことをここに白状しよう。
彼は真のリベロであり、選手2人分のスキルを持っている。キーパーからボールを受け、50メートル先、レフトサイドの山岸やライトサイドの水野へパスを出す。そんなプレーを見るのが好きだった。
しかし彼が最も素晴らしくエレガントなのは、まるでオーストリアのアルペンスキーヤーがスラロームでゲートの間を滑走していくように、2人、3人といとも簡単にすり抜け前線へ攻め上がっていく時だ。そして、巧みなワンツーを駆使しゴール前へ出てシュートを放つ。
ディフェンスでも、彼は相手フォワードを翻弄し、相手に時間もスペースもまだ余裕があるように思わせる。そして彼は完璧なタックルのタイミングを計り、一瞬のスキにボールを奪うのだ。
絶好調のストヤノフは、他のJリーグの選手とはレベルが違う。しかも見ていて滑稽さを感じるぐらいに、いとも易々とプレーしてみせる。
しかし、ピッチ上でカッカしやすい部分があることは否定できない。ピッチ外で彼が犯した最大の過ちは、感情のままを公の場に出してしまい、チームに選択肢を与えなかったことだ。
試合結果はどうなったかって? オウンゴールで、またしてもジェフが負けたよ…。
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