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ギュネス監督「技術力と体力だけでは足りない」

2007/07/30(月)

7月28日:木曜夜に行なわれたFC東京とFCソウルによるプレシーズンマッチは、観戦の価値のある試合だった。無得点に終わり、サッカー自体はパッとしないものだったが、セノール・ギュネス監督から話を聞けたからだ。
トルコ代表の元GKでキャプテンも務めたギュネス監督は、2002年ワールドカップで日本、韓国を破りトルコを3位に導いた。この年のUEFA年間最優秀監督賞を受賞。FCソウルの監督となって6ヶ月経った彼は、この極東のサッカーについて面白いことを言っていた。

基本的に、日本は技術的に、韓国は体力的に優れているが、しかし、世界のトップレベルに追いつくには両国の選手ともそれだけでは足りないのだと彼は話した。手短に言うと、もっと考える、しかももっと素早く考える必要がある、と。

「ワールドカップでは、メンタル面での成長が必要だ。選手たちがゲームを自らの手でお膳立てし、組み立てることは容易じゃない」
通訳を介し、彼はそう語った。
「サッカーは技術と体力だけでは戦えない。どんな状況でも試合をコントロールできる精神力が必要だ」
「両国とも、もっと素早い決断力が必要だ。これが一番の問題だ。ボールを受けたとき、常に次のステップを決め、ボールを蹴る前に全てを決めなくてはならない」
これをできた唯一の選手が、中田英寿。彼はボールを受ける前に次の動きを考えていた。彼がアジアで突出した選手たりえた最大の理由は、ギュネス監督が挙げたサッカー選手に必要な2つの資質――技術レベル、たくましい体――をもっていたことだ。

水曜夜に日本代表は2−3でサウジアラビアに敗れたが、ここに中田のような選手がいればと、オシム監督も思ったことだろう。日本は二度まで追いついたのだが、三度は無理だった。マレクの爆発力の前に、空中でも地上でも、阿部、中沢、そして川口は対応できなかったのだ。
サウジアラビアは強かった。何と言っても、彼らはワールドカップに4大会連続出場をしているのだ。今回の試合結果は、決して驚きではなかった。そう、“落胆”ではあったけど“意外”ではなかった。

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