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スタイル際立つなでしこジャパン

2007/06/07(木)

先日の夜のオリンピック女子サッカー予選。韓国を6−1で破った日本代表については、良い点が多すぎて、なにから語り始めればよいのかわからないくらいである。
もちろん、結果は申し分のないもの。予選3連勝は、来夏の北京行きを確信させるものだった。勝ち方も素晴らしく、いろんな選手がゴールを決め、日本選手の才能と技術を見せつけた。

いつものように、日本は真の意味でのフェアプレー精神を持って試合に臨み、JFAはもちろん、サッカーそのものの評価を高めるようなプレーを見せた。
女子のなかでも体格で優位に立っているとは言えない日本代表は、世界のトップクラス相手にもチャンスを得られるような、独自のプレースタイルと戦術を育んできた。オシム・ジャパン同様、「なでしこジャパン」も自分たちの長所であるスピード、ポジションチェンジ、そして組織を最大限に発揮しようとしている。
なかでも私は、宮本が底、沢がトップ、酒井が右で、宮間が左に位置する、中盤のダイヤモンドがお気に入りだ。酒井と宮間の2人は正確無比に動くミサイルのようで、ディフェンスラインから両サイドを駆け上がるフルバックとの連携が素晴らしい。

もっとも、日本代表はむやみやたらとクロスを上げるという方法はとらなかった。ゴール前のクロスは、今年のワールドカップで大柄な相手ディフェンスの餌食になるのが関の山だと思われるからだ。この問題に対処するために、日本代表は非常に興味深く、チームに合った戦略を用意していた。
クロスを長め――ファーポストのさらに向こう――に蹴れば、受ける選手は最後の最後に後ろに下がってマークを外し、ボールを中央に折り返すことができるのだ。そうなれば相手DFは対処に困り、味方のFWはゴール前に侵入して至近距離からシュートを打てる。結果、小柄なセンターフォワードと大柄なセンターハーフとの直接的な接触を回避することができる。
これはまさにゴールを生み出すための戦術。スペースとスピードを活かすプレーで攻撃のリズムを良くすれば、この戦術はさらに効果的なものになるだろう。

なでしこジャパンの印象は上々。大橋浩司監督の手腕も、今後の戦いで信頼のおけるものだということが明らかになった。選手たち自身も楽しんでいるようで、男子のトップレベルの試合によくあるような、皮肉な行為やずるいプレーはまったく見られない。
韓国国歌が流れる前、ホームのファンと日本代表の選手たちは一様に喝采を送った。試合後、日本選手が場内を一周しているときに韓国ファンの小さな一団が拍手を送っていたのも良かった。
ただ1つ残念だったのは、気持ちの良い日曜日の夜に国立競技場に集まったファンの数が、わずか8,779人だったこと。
このチームはもっとたくさんの人を集めるだけの価値があるし、タイを迎える8月12日の試合にはもっとも多くのファンに応援してもらいたい。

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