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2007年6月

柏木をひたすら賞賛したい

2007/06/28(木)

土曜日、特別な選手になれる資質を持った若者が、特別なゴールを決めた。
サンフレッチェ広島ユース出身で、弱冠19歳の柏木陽介が、神戸戦で真の意味で美しいゴール――リプレーを見れば見るほど素晴らしく思えるゴール――を決めたのである。
当然ながらシュートは左足で打たれたもの。チャンスを生み出したのは佐藤とウェズレイの見事なポジション・チェンジだった。ペナルティ・エリア付近でフリーでボールを受けると、柏木はワンタッチでボール・コントロール。左足でボールを包み込むようにして理想的なシュートを打つと、ボールは左サイドからゴールのファーサイド隅に突き刺さった。

まさに、“(ベッカムではなく)俊輔みたいなカーブボール” !(※)それはフリーで打った素晴らしいシュート。相手選手の気分を害したり、挑発したりすることもなかったゴール後の祝福シーンでは、彼の創造性がまたも発揮されることとなった。
ロジェ・ミラ・スタイルでお尻をくねらせたあと、柏木はボーリングを実施。ボールをレーンに転がし、おそらくストライクをとったときのようなポーズをとった。

試合は結果的に2−3で敗れたが、サンフレッチェの2つ目のゴールもなかなかのものだった。このときは右サイドの駒野が供給した熟練のクロスに合わせた、ウェズレイの教科書に載っているようなヘディングシュート。
しかし、駒野が守備から攻撃に切り替え右サイドをするすると駆け上がり、決定的なパスを送るタイミングを見計らうことを可能にしたのは、一体誰なのだろう? やはり、柏木なのだ。柏木は、イビチャ・オシムが見たら喜びそうなボールタッチ、スピード、冷静さと頭の切り替えの速さを披露したのである。

もちろん、オシムは柏木のことをすでによく知っている。間近に迫ったカナダでのU−20FIFAワールドカップは、この若者がその才能を知らしめる完璧な舞台となるだろう。
かなりの才能があるということと、今回のような大きな舞台で潜在能力を発揮するというのはまったくの別物だ。
とはいえ、現時点では、柏木陽介にはハリー・キューウェルとハリー・ポッターを足して2で割ったような個性がある。そう、左利きの、優しそうな策略家で、その両足で魔法を使うのである!

※訳注
2002年公開(日本は2003年)のイギリス映画「ベッカムに恋して」の原題を訳すと、「ベッカムみたいなカーブボール(Bend it like Beckham)」となる

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中田とMLSの強力タッグ

2007/06/25(月)

6月22日:引退から約1年、何も言わないが中田英寿が再び注目を浴びている。
木曜日に東京の海外特派員クラブで開かれた昼食会で、日本代表のイビチャ・オシム監督は、もし中田が現役に復帰するなら代表チームの扉は開いていると語った。
さて、中田の復帰はあるのだろうか?

1994年、ジャカルタでのU−19アジアユースに日本代表として出場して以来、私は彼を見続けてきた。中田の現役復帰、あり得ない話ではないと思う。
事実、ベッカムのギャラクシー移籍の記事を目にする度に、米国メジャーリーグサッカーは中田の自身の再発見にはパーフェクトではないだろうかと考えていた。中田は、アジアのベッカムだ。中田の米国での現役復帰は、米国サッカー界に大きな刺激を与える。ベッカム同様、誰にとってもその効果は大きい。

中田はまだ30歳。もう3〜4年、少なくとも2010年ワールドカップまではプレーできる。MLSでの現役復帰は十分可能だろう。
先日行なわれたフィーゴ主催のチャリティ・マッチのハイライトを見たが、長髪になった中田は、ベルマーレ平塚にいた若かりし頃を髣髴とさせた。
引退はあまりにも早すぎたし、あのようなサッカー環境に身を置いてみて、一度は失ったサッカーに対する興味が再燃したかもしれない。ひょっとすると遠征ばかりの日々に飽き、自身のルーツが欲しかっただけなのかもしれない。

成長しつつあるリーグと有名人としての生活を楽しむなら、米国をおいて他にはないだろう。米国の若者・大衆文化は中田にとって魅力的なはず。なんと言っても、あの巨大なマーケットは彼の経歴にさらにハクをつけるには十分だ。
例えばそう。東京、ニューヨーク、パリ、ロンドン、ローマ、ミラノ…といった世界の都市にレストランチェーンを展開するとか――。メニュー、装飾品、家具、衣類をはじめとするさまざまな“ナカタ”ブランドの商品が世界中に溢れるのだ。
これこそ、彼の運命だ!

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補強が必要な軽量級の大宮

2007/06/21(木)

6月19日:等々力でのアンチ・クライマックスが幕開けとなった土曜日のJリーグは、駒場でのドラマチックな結末という爽快な様式で幕切れとなった。
関東でのサッカー三昧の最初に供されたのは、陽光降り注ぐ等々力でのフロンターレ対レイソル。この試合、中村憲剛はまさに彼らしいプレーを見せたが、両チームのフォワードが決定機を何度も無駄にして、退屈なスコアレスドローに終わった。
月曜日にアジアカップの代表候補発表を控え、私は我那覇にゴールを決めて欲しいと思っていた。しかしそれは叶わず、我那覇の今季リーグ戦でのゴールは1のまま。彼には自信という特効薬が必要だ(この特効薬は、Jリーグの規定違反にはならないかな?)。

午後の等々力から夕方の駒場に移ると、そこは素晴らしい雰囲気。スタジアムには約1万7,000人の観客が詰めかけていた。スタジアムの3分の2はオレンジ色に覆われ、残りの3分の1は…やはりオレンジ色だった。そう、アルディージャ対アルビレックスだからね。
このオレンジ・ダービーは、提起された問題点とそのドラマ性という点では、まさにその名に値するものだった。

まず、新潟の右ウィンガーの松下がハーフタイムの6分前に退場となった。2枚目のイエローカード――スパイクの裏を向けたタックルだとレフェリーがみなした――については様々な意見があるだろうが、バカらしいのは1枚目のイエローカードをもらった行動だ。
25分を過ぎてもゲームは均衡状態。どちらかといえばアルビレックスが押し気味だったが、松下はボールを蹴り出して無意味に試合を遅らせた。松下にイエローカードを示したレフェリーの長田の判断は正しく、アルビレックスの鈴木監督には、オフィシャルではなく、自チームの選手に厳しく当たって欲しいものだ。

一人多く、数的優位に立った大宮は、吉原のゴールと途中出場の若林の高い打点のヘディングシュートで2−1の勝利を収めた。
両ゴールに大きく貢献したのは小林大悟だったのだが、彼は依然として、絶好調時とは程遠い状態。元気の良い吉原や藤本とは対照的だった。
しかし、ボールを持ち、大悟ならではのプレーを見せられると、ロバート・ファーベーク監督は彼をずっとピッチでプレーさせ、大切なときに実力を発揮してもらいたいと願うことだろう。

残念ながら、大宮の外国人選手のレベルはやはり物足りないまま。チームが低迷しているなかでも、先発メンバーに入っていたのはセンターバックのレアンドロだけで、フォワードの2人はベンチにいた。
ルーマニアやブラジルにスカウト旅行に出かければ、攻撃陣と中盤の中央を埋める選手が見つかり、創造的だけれども線の細い大宮の選手たちをサポートできるようになるかもしれない。

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“りんご注意報”発令!

2007/06/18(月)

6月15日:物事は良い方に考えよう。
そう、日本のチーム同士のアジアチャンピオンズリーグ決勝戦!
レッズ対フロンターレ、会場は初戦が等々力、第2戦はさいたまスタジアム。日本にとってパーフェクトなシナリオだと思わないかい?

決勝ラウンドの抽選の結果、それも十分可能なのだ。
抽選前から、レッズとフロンターレが準々決勝でぶつからないことは分かっていた。しかし準決勝については対戦しない保証はなかった。もちろん、準決勝に進めたと仮定しての話だが。

一方、決勝に日本のチームのどちらかが間違いなく進めるという意味で、準決勝で戦かった方が良いという人もいる。しかしそれは悲観的というもの。彼らはそれぞれのグループを勝ち上がってきたのだ。どうせなら“超”ポジティブに、両者とも決勝に進出するという希望を持っていい。
だって予選リーグ各グループ4チーム中の上位2チームでなく、首位のわずか1チームが勝ち上がってきた。その実力差はわずかだ。

準々決勝でレッズとフロンターレが、全北現代モータースとセパハンをそれぞれ破り、何としても日本チーム同士の決勝を実現させるという意欲を持ち準決勝を戦ってくれるよう期待しよう。
レッズの第1戦は9月19日。前回大会優勝の全北現代をホームで迎え撃つ。一方のフロンターレは9月26日の第2戦をホームで戦う。

イランに観戦に行くことを考えているフロンターレサポーターの皆さんに、私からひとつアドバイスをしよう。
どうぞヘルメットを持って行ってください!
これは2005年3月のワールドカップ予選、イラン対日本の試合に“弾丸”ツアーで800人の日本サポーターと共にテヘランへ行った私の経験上のアドバイス。

正午頃、昼食のためにホテルへ到着した我々に、キックオフの6時間前だというのにすでに10万人のファンがアザディスタジアム入りしていると知らされた。
日本人サポーターを乗せたバスの一団が到着した時の様子は、まるで大衆への見世物として虐殺される奴隷。あの映画、「グラディエーター」の1シーンのようだった。
結果は1−2の敗戦だったが、私たちに用意されたシートは福西が同点弾を決めたゴールの真後ろだった。
しかし後ろはイラン人サポーターの大群が溢れており、私たちめがけてミサイルを(幸運なことに核弾頭は搭載していなかったが…)滝のように浴びせてきた。
ある女性などは、背後の巨大スコアボードを見ようと振り返った瞬間にりんごが顔面を直撃した。運良く目には当たらなかったが彼女の頬は大きく腫れ上がっていた。

フロンターレファンの皆さん、どうかヘルメットを持っていってください。そして、飛んでくるりんごにはお気をつけて。2階席からの一撃は、なかなか強烈ですよ。

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1強? 2強? それとも3強?

2007/06/14(木)

先週末はJ1全34節中の第14節。あとから振り返れば、2007年シーズンのターニング・ポイントになっているかもしれない。
あっという間にガンバ大阪が勝点7差をつけ首位に立っている。ただし、レッズはA3チャンピオンズカップ出場のため試合がなかった(ところで、この3つのAは何を意味しているのだろう? 「Another Avoidable Absence(今回もやむなく欠席)」の略?)。
レッズは試合をしていないにも関わらず、2位につけている。そう、順位の近いチームがその日に勝てなかったからだ。2強のマッチレースを予想していた人にとっては、すでに憂慮すべき状況となっているのである。

さまざまな理由が重なり、ホームでヴィッセル神戸を3−1で下したアルビレック新潟が4位に躍進した。
シーズン当初、私はアルビレックスが弱体化していた(現在は改善しつつある)FC東京を味スタで粉砕した試合を観戦し、そこで目撃したもの――つまり、3人の良い外国人選手を擁する、きちんとよくまとまったチーム――に感心した。
神戸戦では外国人選手は2人だけだったが、その2人が3ゴール全ての得点者となった。

中盤の右側の位置でプレーしていたマルシオ・リシャルデスが最初の2ゴールをマーク。1点目はゴールの隅ではなく、ゴール中央に向かう軌道で榎本達也の意表をついたフリーキック。もう1つは、至近距離からの、きれいにミートしたヘディングシュートだった。
3点目も、2点目と同じようなスタイリッシュなヘディングシュート。これはエジミウソンが、彼らしいクレバーな動きから決めた。ちなみに、エジミウソンは私のお気に入りの外国人選手の1人で、そのパワーとバランスを兼ね備えた能力は魅力的であり、危険でもある。
実際、彼はいつも安定したプレーを見せている。ガンバが彼をとらなかったのが私には不思議でならない。その能力と性格が保証されているブラジル出身の選手を小規模なクラブから獲得するという、リスクを犯さないやり方がガンバの得意技なのに! 来シーズンには、獲得するかもしれないね。

シーズンはまだ半ばにも達していないが、勝点7の差はガンバにとっては上々の成果。ライバルにとっては今後プレッシャーとなるだろう。
個人的には、ガンバに追いつける能力があるチームは2つだと思っている。レッズとフロンターレである。ただし、この両チームは引き分けがあまりに多く、今シーズンの勝利数はガンバの9勝にくらべて、6勝ずつに留まっている。それが、ガンバとの勝点差になっているのだ。
中盤と攻撃陣については、ガンバはピッチにも、ベンチにも豊富な人材を揃えている。唯一の弱みを挙げるなら、それはセンターバックのシジクレイと山口をカバーする選手が物足りないことである。

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高原復活!

2007/06/11(月)

6月7日発:間違いない!タカ復活だ!
キリンカップの2試合、そして3月のペルー戦。高原直泰は再び日本のリードマンとしてピッチに帰ってきた。ハングリーで、さらに成長した姿で見事に復活を遂げたのだ。

正直なところ、私は、ハンブルグで低迷し、切れ味を失っていた高原への興味を失っていた。日本代表としてプレーしても、当時の彼は“それまでの彼”ではなかった。
その態度は自信や意欲に満ちているというより、結果を伴わない単なるうぬぼれにすぎなかった。
しかし、最近の高原は持ち味をフルに発揮してひた向きにプレーしている。フランクフルトに移籍してからというもの、調子が良い。チームの一員として得点を挙げ、タックルをして激しくボールを追っている。

駒野の右からの正確なクロスに飛び込みヘッドで合わせた、モンテネグロ戦でのゴールは絶品だった。
コロンビア戦では決勝点となるはずだった右からの決定的なヘッドを外してしまったが、非常に良い出来だった。
コロンビアは特に後半開始早々、激しくマークしてきた。それで高原は試合中、相手の肘撃ちについてオランダ人主審に激しく抗議していた。

オシム監督の4−5−1システムにおいて、高原は前線で良いプレーをしていた。個人的には、ペルー戦の時のように、巻とのコンビを試合開始から見たかったのだけれど。
一方で、稲本をあれほど前で使うというのは妙な選択だった。オシム監督も過ちだと気づき、後半に彼を交代させていた。
イナはゲームに集中できなかったようだ。彼はオーバーラップの好きな守備的MF。従って、あのポジションでは何をすべきか分からなかったのだろう。
ナイジェリアで開催された1999年のFIFAワールドユース日本代表のチーム編成をしていたトルシエ氏は、稲本はセンターバック向きだと常々考えていると言ったことがある。
それはまだ実現していないが、稲本の新たな将来像が見たいのなら、フランクフルトやオシムジャパンではそれも一つのオプションかもしれない。

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スタイル際立つなでしこジャパン

2007/06/07(木)

先日の夜のオリンピック女子サッカー予選。韓国を6−1で破った日本代表については、良い点が多すぎて、なにから語り始めればよいのかわからないくらいである。
もちろん、結果は申し分のないもの。予選3連勝は、来夏の北京行きを確信させるものだった。勝ち方も素晴らしく、いろんな選手がゴールを決め、日本選手の才能と技術を見せつけた。

いつものように、日本は真の意味でのフェアプレー精神を持って試合に臨み、JFAはもちろん、サッカーそのものの評価を高めるようなプレーを見せた。
女子のなかでも体格で優位に立っているとは言えない日本代表は、世界のトップクラス相手にもチャンスを得られるような、独自のプレースタイルと戦術を育んできた。オシム・ジャパン同様、「なでしこジャパン」も自分たちの長所であるスピード、ポジションチェンジ、そして組織を最大限に発揮しようとしている。
なかでも私は、宮本が底、沢がトップ、酒井が右で、宮間が左に位置する、中盤のダイヤモンドがお気に入りだ。酒井と宮間の2人は正確無比に動くミサイルのようで、ディフェンスラインから両サイドを駆け上がるフルバックとの連携が素晴らしい。

もっとも、日本代表はむやみやたらとクロスを上げるという方法はとらなかった。ゴール前のクロスは、今年のワールドカップで大柄な相手ディフェンスの餌食になるのが関の山だと思われるからだ。この問題に対処するために、日本代表は非常に興味深く、チームに合った戦略を用意していた。
クロスを長め――ファーポストのさらに向こう――に蹴れば、受ける選手は最後の最後に後ろに下がってマークを外し、ボールを中央に折り返すことができるのだ。そうなれば相手DFは対処に困り、味方のFWはゴール前に侵入して至近距離からシュートを打てる。結果、小柄なセンターフォワードと大柄なセンターハーフとの直接的な接触を回避することができる。
これはまさにゴールを生み出すための戦術。スペースとスピードを活かすプレーで攻撃のリズムを良くすれば、この戦術はさらに効果的なものになるだろう。

なでしこジャパンの印象は上々。大橋浩司監督の手腕も、今後の戦いで信頼のおけるものだということが明らかになった。選手たち自身も楽しんでいるようで、男子のトップレベルの試合によくあるような、皮肉な行為やずるいプレーはまったく見られない。
韓国国歌が流れる前、ホームのファンと日本代表の選手たちは一様に喝采を送った。試合後、日本選手が場内を一周しているときに韓国ファンの小さな一団が拍手を送っていたのも良かった。
ただ1つ残念だったのは、気持ちの良い日曜日の夜に国立競技場に集まったファンの数が、わずか8,779人だったこと。
このチームはもっとたくさんの人を集めるだけの価値があるし、タイを迎える8月12日の試合にはもっとも多くのファンに応援してもらいたい。

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日本勝利!輝く駒野

2007/06/04(月)

6月2日:後半に入りプレーの質が落ち、頂けないプレーが目立ったものの、金曜夜のモンテネグロ戦――2−0で勝利――では十分な収穫があった。まずは、前半で試合を決めた二つの素晴らしいゴール。
先制点は、まさに日頃の練習グラウンドでのプレーにさらに磨きがかかったものだったと言える。
遠藤が左コーナーから左足でちょうど良い角度のボールを上げ、競り勝った中澤がファーサイドでパワフルなヘッドを決めた。中澤は攻守両方で自身の価値を再び証明したのだ。

2点目のゴールは、さらに素晴らしいもの。中村憲剛のサイドチェンジを受けた駒野が、右サイドから見事なクロス。これをニアサイドの高原がヘッドで決めた。
その数分前のプレーで高原は、駒野の深すぎるクロスに対し苛立ちの表情でニアポストを指差していた。しかし駒野はすぐさま修正し、次のプレーでは完璧なクロスで高原のヘッドをお膳立てしたのだ。

ペルー戦につづき、駒野がこの試合の私が選ぶMVPだ。
右サイドバックで先発した駒野は、水野が入ってからは逆サイドへ回り、活力、激しさ、そして多用性でオシムジャパンのキープレーヤーとしての位置を確立した。彼は危険な状況でボールをクリアするタイミング、パスを出して押し上げるタイミングをよくわかっている。
そして何より、サッカーに対する姿勢がピカイチなのだ。与えられた役割をしっかり果たす、最高のチームプレーヤー。あのトルシエ監督が好んで使いそうな選手である。

オシム監督のサッカーでは、頭の回転や反応の素早さのみならず、足の速さが要求される。これはモンテネグロ戦で気づいたことなのだが、選手たちはちょっとしたミスからでもこぼれ球を奪えるよう、一歩前で相手選手をマークしていた。
このようなペースとポジション、そして複雑なパス回しでプレーすれば、当然ミスが起こる。
しかし日本の選手たちは状況を把握し、相手のミスを先読みすることを学んだようだ。

モンテネグロのサッカーは、スローテンポで大胆さに欠けると言われる。
しかし、旧ユーゴのチームはどこもサッカーを熟知しており、軽んじるべきではない。ただこの試合では、日本の中盤のプレスがモンテネグロに大きなプレッシャーを与え、ゲームのリズムをつかませなかった。
火曜夜に埼玉で対戦するコロンビアは、さらに強いはず。しかし、日本だって負けていない。

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