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味スタでサッカーとフィッシュ&チップスを

2007/05/10(木)

踏んだり蹴ったりの状況が続くFC東京ファンにとって、いまは試練のときである。
まあ、フィッシュ&チップスをつまみに、ビールを2、3杯飲めば、気分も晴れるだろう!
FC東京が味の素スタジアムにジェフユナイテッドを迎えるとき――正確にいうと5月12日午後7時――が迫っている。

FC東京を支える人々への感謝のしるしとして、クラブでは「イングランドDay(UK Day)」を企画しており、東京エリアに住む多くの英国の人々に数多く観戦してもらいたいと考えている。
英国人にはスペシャル・ディスカウント価格でチケットを販売。ファンは英国の伝統的な食べ物であるフィッシュ&チップス、それから英国特有のペール・エール(色の淡いビール、ただしアルコール度は日本のビールより高い)を楽しむことができる。英国大使館も協力しているため、試合前にはお祭りのような雰囲気が醸し出されるかもしれない。

UK Dayというテーマが生まれたのは、FC東京にとっては当然の成り行き。このチームのホームゲームでは、イングランド的な雰囲気を出そうとする、いくつかの工夫が見られる。
まず思い浮かぶのは、試合前に流れる、リバプールのアンセム「ユール・ネバー・ウォーク・アローン(You'll never walk alone)」と、ブラックプール出身で、日本在住の英国人スティーブ・スペンサーが行なう英語でのアナウンスだ(彼は英国のマッチデイ・プログラムによくあるような、独特の表現を使って選手紹介をする)。
さらにスティーブは、英国人がそうであるように、音楽が大好きだ。ザ・ジャムの「ザッツ・エンターテイメント」やオアシスの「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」は味スタの定番。土曜の夜にこのイベントの特典を利用する英国人が、フィッシュ&チップス(古い新聞紙に包まれ、塩がかかっていて、ビネガーが染み出ているといいな)を貪り、1パイントか2パイント(あるいはそれ以上)のエールを飲みながらこれらの曲を聴くと、少しホームシックな気分になるかもしれない。

イングランドのサッカー・スタジアムでの食べ物という話題になると、1980年代後半、ロンドン・プロウレーンにおけるウィンブルドン対ニューカッスル・ユナイテッド戦のとてもおかしな話をどうしても思い出してしまう。
キックオフの1時間ほど前、北東部からニューカッスルの取材にやって来た私と他の5〜6名のサッカーライターは、センターサークル辺りをうろつきながら肉汁たっぷりのハンバーガーを楽しんでいた。
よだれが出るくらいおいしそうなハンバーガーに私がガブリと食らいつこうとすると、肩越しに伸びてきた手がハンバーガーをひったくった。振り返って犯人を見つけたが、若く、茶目っ気たっぷりのポール・ガスコインの敏捷さにかなうはずがない。ガスコインはハンバーガーを全部口に詰め込むと、あっという間に咀嚼し、腹に収めてしまった。キックオフの1時間前だというのに!

この試合は、ウィンブルドンのフーリガン、ヴィニー・ジョーンズが自らの手を使ってガッザ(ガスコイン)に与えた肉体的な虐待で有名というか、悪名高くなったのだが――。しかし、それはまた別の、長い、長いお話。
味スタで、フィッシュ&チップスを楽しもうじゃないか!

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