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横浜FCを盛り上げた、カズの新たな偉業

2007/05/17(木)

どれだけ年をとっていたって、学ぶことはできる。それにもちろん、どれだけ若くても、巨匠・三浦知良から学ぶことはできる。
土曜日に彼が決めたゴール。素晴らしかったよね。走り込み左足でボールを強く打ち、サンフレッチェのゴールに叩き込んだ。完璧なジェットコースター・ボレー。

私が気に入ったのは、カズがいきなりシュートを打ったところだ! Jリーグでは――まあ、その点についてはエミレーツ・スタジアム(アーセナルの本拠地)でも同じことだが――選手が不必要にワンタッチを加え、結局シュートのチャンスを逃してしまうシーンがあまりに多い。
さらに悪いことに、フォワードならシュートだけを考えるべきときにも、ボールをコントロールしたり、クロスを上げたりしようとする。
だから私は、カズのゴールがとても気に入ったのだ。あれ以上走れないのだから、あの位置からシュートを打つしかないじゃないか、と言う皮肉屋もいるかもしれない。すでに42分になっていたし、彼らの言うとおりなのかもしれないが、カズは自分が何をしたいのかをわかっていたし、あの難しい技をまるで教科書に載っているような方法でやってのけたのだ。

あのテのシュートは、しばしばとんでもない方向に行ってしまう。しかしボールはバーの上を風船のように漂ったが、ぴったりのタイミングで上昇を止め、移動遊園地のジェットコースターみたいに急降下した。結果は、カズの新たな偉業の達成――40歳の人間のJリーグ初ゴール。
このゴールから若い選手(たとえば、ゴン中山)が学びとるべき教訓は、ゴールの前では自分の能力を信じる、ということである。チャンスをモノにすることを恐れてはならない。とくに1−0でリードしていて、ハーフタイムまで2分くらいしかないときには。
試合のこの段階では失うものは何もなく、得るものしかない。カズはギャンブルに出て、切り札を引き当てたのだ。あの素晴らしいジェットコースター・ボレーで(日本のコメンテーターは「ループ・シュート」と――英語の「チップ(chip)」や「ロブ(lob)」と同じような意味で――呼んでいたが、あのシュートに対する正当な評価とは言い難い)。

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