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苦しい開幕戦をモノにした優勝候補たち

2007/03/08(木)

短距離走であれ、マラソンであれ、競争において機先を制するのは簡単なことではない。
ワールドカップのグループリーグは短距離走。プレーするのはたった3試合だから、ミスは許されない。
初戦に勝てば、次のラウンドに片足をかけた状態となり(たとえば、オーストラリア)、負ければプレッシャーがのしかかってくる(たとえば、日本)。Jリーグはマラソンだ。9ヶ月をかけて34試合を戦うので、出遅れても挽回する余地は十分ある。
だから、ここ最近の優勝チームである浦和とガンバの勝敗にも若干の危惧はあった。しかし両チームとも、引き分けでもおかしくないような苦しい開幕戦ではあったものの、終わってみれば勝点3を手にしていた。

シーズンの始まりは楽観的な見通しや新たな野心で満ちており、クラブには、新加入選手や新監督が自分たちを約束の地に導いてくれるかもしれないという思いがある。
そんななかでの、レッズとガンバが手探り状態で勝利を収めたという事実は、今年も甘くはないぞというメッセージをJ1の他のチームに投げかけた。
レッズは埼玉での横浜FC戦を終了間際の永井のゴールによって2−1で勝ち越し、ガンバはホームの大宮戦で、新加入のバレーがゴールを決めて1−0の勝利に貢献した。
64分に途中出場したバレーが終了2分前に決めたゴールはまさに思いもかけないものだった。ペナルティ・エリアの端でバウンドしたボールを左足で蹴ったシュートはキーパーの頭を越えてゴールに落ち、ガンバ――私の本命チーム――は完璧なスタートを切ることができた。

また、スタイルはそれぞれ大きく異なるものの、素晴らしいゴールが2つあった。
横浜FCの久保が左足で放ったロケット弾はスペクタクル。久保が右サイドから動き始めたとき、小野はもう少し間合いを詰めるべきだったが、あんな遠い位置からゴール上隅に決めるなんて、誰が予想しただろう? 久保が甦ったことを示すシュートだった。
体調がしっかり整い、試合勘が研ぎ澄まされれば、久保は今でも驚きと意外性に満ちており、きわめて危険な存在となることができる。
マリノスの山瀬も、ホームの甲府戦で鮮やかなゴールを決めた。優れた加速力とボール・コントロール、冷静さを見せつけた山瀬は、選手生活の初期の大ケガ以降、最高の状態のようだ。

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