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タカ巻はいかが?

2007/03/22(木)

ここ一番で大仕事をしてくれるフォワードを見分けるには、少しばかりプレシャーをかけるのが最上の策である。
土曜日のペルーとの親善試合のための選手選考において、イビチャ・オシムがまさにこの策をストライカーたちに打った。
日曜日に発表された代表選手18人中、フォワードはフランクフルトの高原だけ。
巻、我那覇、播戸、佐藤、それにひょっとしたら大久保が候補となっている、残りのフォワードの選出は、なんらかの理由――体調不十分とか、ゴール不十分とか――により全員保留となった。
水曜日(祝日)にナビスコカップとアジアチャンピオンズリーグの試合が控えているため、オシムは、しばらく様子を見て、それから何人かを追加発表することにしたのだろう。
そうなれば、ストライカーがオシムの関心を得る方法は1つしかない。そう、ゴールだ。

私は、土曜日のアントラーズ戦で巻を見て、プレーは問題ないと思った。何も特別なことはなく、ゴールもなかったし、人間ブルドーザーの岩政に上手くマークされていたけれど。
ただ、後半に面白いシーンがあった。
短い時間に、ハーフウェイ付近にいた彼のところに3回連続でボールが回ってきたのだが、どの機会でも岩政が厳しく体を当ててきた。ハードだがフェアな、秋田スタイル。それ自体はまったく問題はない。もっとも、3度目にはジェフのトレーナーがピッチにスコップを持ち込み、ターフに埋もれた巻を掘り出さなくてはならなかった。

巻は懸命にプレーし、決してサボらなかった。ひたすら走り、ボールをもらおうとしていた。きつい当たりにすぐに見舞われるのは承知の上。それでも彼はすぐに立ち上がり、さらに勝負を挑むのである。
だから、いまだゴールは生まれていないが、私ならやはり巻を選ぶ――羽生が中盤の底から上がって来なくてはならず、新居がまだJ1へ対応の途である現在のジェフにおいて、彼が前線で孤軍奮闘していることを忘れないで欲しい。
新居はゴールが量産された土曜日の試合で初ゴールのチャンスがあったが、ストヤノフの左サイドからの見事なクロスにフリーで合わせたヘディング・シュートはバーに阻まれた。

佐藤は開幕戦でFC東京を苦しませ、日本代表でも途中出場で必ずインパクトを与えている。また、播戸は気迫とエネルギーに満ちている。ファボンを退場させた前週の芝居がかった振る舞いは遺憾だが…。彼は「ハムレット」のオーディションを受けていたのか、まるで毒殺か絞殺、あるいはその両方をされたというような演技をした。
我那覇は、横浜FCに大勝した土曜日の試合をケガのため欠場。そのため、オシムは高原の相棒を決定するのを先延ばしにしたのかもしれない。
高原がドイツでゴールを次々と記録している現在、タカと巻の取り合わせが良いように思える。一方が走り、もう一方がゴールするのだ。
タカ巻。なかなかいけるでしょ? 土曜日の夜、蘇我駅近くの居酒屋で注文する人がいるんじゃないかな。

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