« 待ち続けたジェフ・ファンへの報い | トップページ | 日本対メキシコ、よみがえる銅メダルの思い出 »

スターへの階段を昇るサイツ

2007/02/26(月)

世界のベストキーパーがそろっている国といえば、現時点では米国以外に見当たらない。
ブラッド・フリーデル、ティム・ハワード、そしてマーカス・ハーネマン。この3選手はいずれもイングランド・プレミアリーグのブラックバーン、エバートン、そしてレディングでそれぞれプレーしている。またケイシー・ケラーはブンデスリーガのボルシア・メンヘングランドバッハでキャプテンを務めている。
そして今週熊本から届いたレポートによると、どうやら米国はまた、新たにクリス・サイツという19歳の珠玉を得たようだ。
身長190cmとキーパーとして恵まれた体躯を持つサイツは、メリーランド大学を2年で中退。メジャーリーグ・サッカーのレアル・ソルトレイクシティ入りしたのだが、ヨーロッパへ行くのも時間の問題だろう。

バンクス、シルトン、クレメンス、シーマンと、イングランドは常にキーパーには自信を持っていた。それがいつの間にか、トップクオリティの“キャット” については米国の後塵を拝すようになった。“キャット”というのはピーター・ボネッティのニックネームで、以来、キーパーをこう呼ぶようになった。もちろん彼がお皿からミルクを飲むからではなく、その跳躍力からついたものだ。

さて、ではなぜ彼らが我々イングランドの上を行くようになってしまったのだろうか。
まず基本的に、米国人はキーパーである前にスポーツマンだ。
彼らはバスケットボールのような高度な手と目のコーディネーションを必要とするスポーツをして育ってきている。したがって“キャット”の仕事に慣れるのはいとも簡単なのだ。

ここに、面白い話がある。
NBAのスター、コービー・ブライアントの父親で、現在は日本でコーチをしているジョー・ブライアント氏が昨年外国人スポーツライター協会の会合に出席した時に、実はコービーはユベントスのキーパーになりたかったのだと明かした。
ジョー、いや“ゼリービーン”(大好物だったのでこう呼ばれた)は当時、イタリアでプロバスケット選手としてプレーしており、自然とサッカーに興味を持つようになったという。
ベッカム主将の元でコービーがロサンゼルス・ギャラクシーのゴールを守っている場面を想像してみると良い。

イングランドでも、“自然に”という意味では似たような道を辿ってキーパーは選ばれる。ゴールの外で何もできないヤツを、邪魔にならないようにゴールの中に入れておくのだ。誰もゴールマウスの中になんて入りたくないから、シュートを決められたら交代となる。
しかし、すぐに代わりたいからといってわざとゴールを許せば、マウスの中に留まることになる。
きっと、こんなやり方だったから追いつかれてしまったんだろうな。
そしてスポーツ万能の米国人が、真の“トップキャット”になってしまったに違いない。

固定リンク | | コメント (0)

コメント

この記事へのコメントは終了しました。