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森本に巡ってきたチャンス

2007/02/01(木)

森本貴幸が週末にイタリアでのデビュー戦で決めたゴールは、引退してしまった中田英寿のことを思い起こさせるものだった。
みなさんは憶えてらっしゃるだろうか…。中田は1998年のセリエAに旋風を巻き起こした。ペルージャの一員としてデビューしたユベントス戦、チームは3−4で敗れたものの、2ゴールを奪取――しかも、もしも監督が中田にPKを蹴らせていれば、ハットトリックを達成していたかもしれないのである。

いま、ついに森本が新聞の見出しを飾るようになった。
カターニャのベンチで辛抱強く待機していた18歳のストライカーに出場機会が与えられたのは、日曜日にベルガモで行なわれたアタランタ戦の84分。そのとき、カターニャは0−1とリードを許していたが、森本がペナルティ・エリア内で素早く動いて自信に満ちたゴールを決め、チームに勝点1をもたらしたのだ。
今回結果を出したことで、今後はもっと長い時間プレーさせてもらえるだろうが、4位タイと好調のカターニャでは、スタメンの保証はない。
ヴェルディ時代のツルツル頭の森本のプレーを見たことがある者はみな、彼ならスタメンをとってもおかしくないと証言するだろう。キレがあり、強靭な身体を持ち、運動量も多い。つまり、聡明で、危険な選手としての資質を備えているのである。

オジー・アルディレスがヴェルディの監督を務めていたとき、森本について長い時間語り合ったことがある。アルディレスが私に話したのは、マンチェスター・ユナイテッドの監督であるサー・アレックス・ファーガソンが森本を高く評価しており、ユーストーナメントで彼を見て以来、その成長を注意深く見守ろうとしているということだった。
アルディレスは、ケビン・キーガンやゴードン・ストラカンといった監督たちと同じような人身掌握術を持っており、つねに選手を褒め、自分が最高だと選手に思わせるのだが、このかつてのトットナムのスター選手が森本を純粋に評価しているのは間違いないと思われた。

ティーンエイジャーの森本はヴェルディからシチリア島のクラブに夏までレンタルされる予定だが、オリンピック代表監督である反町のプランに組み込まれることもあるかもしれない。
U−22日本代表は、2008年北京オリンピックの出場権獲得のための準備段階では、強力な存在感を持つ選手が少し欠けているように思える。森本の爆発力が加われば、チームの幅が広がるのは確実だろう。
もっとも、それはまだ先のこと。セリエAのデビュー戦で注目を浴びるようなゴールを決めた森本がカターニャでその実力を発揮する機会が、今後さらに増えて欲しいものである。

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