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ホイッスルのあとの情熱と感動

2006/12/14(木)

Jリーグは、その短い歴史のなかに数多くのものを得てきたが、昇格/降格を決めるプレーオフ以上のものはない。
昨シーズンは、ヴァンフォーレ甲府が圧倒的なスタイルで柏レイソルを降格させるという、センセーショナルな結果となった。甲府は、2試合を連勝。ホームで2−1で勝ったあとの日立台でのアウェー戦では、バレーが6ゴールを挙げるという爆発ぶり――実際には10点とってもおかしくないくらいだった!――で、6−2で勝利した。

今回は、前回に比べてゴールの数はそれほど多くはなく、2戦合計で2点だけだったが、ドラマ性はきわめて高く、結果的にヴィッセル神戸がアビスパ福岡に代わってトップリーグ入りを決めた。
感極まったような三浦アツの表情、涙を流す両チームのファンのアップ、シーズン当初にアビスパを解雇され、今は神戸を昇格させ、感慨にひたる神戸の松田浩監督。なんという筋書きだろう!

終了間際には、ゴール前の大混戦もあった。ボールがあらゆる方向を行き来し、まるでピンボール・マシンのようだったが、最終的には神戸がボールをゴールから掻き出した。
あのボールが入っていれば、両チームはそれまでの位置、つまりアビスパはJ1に、ヴィッセルはJ2に留まることになっていたのである。これがこの競技の魅力。9ヶ月間の努力の末にある、最後の運命の数秒間によってすべてが変わってしまうことがある。

最終的には、アウェーゴール・ルールにより、スコアが同点の場合はアウェー戦のゴールが2倍になるため(読者のほとんどがご存知なのはわかっているけれど、念のためにね!)神戸が昇格を決めた。
後半、近藤がヴィッセルのゴールを決めてからというもの、アビスパはひたすら奮闘した。2ゴールが必要になったからだ。
1ゴールは得たが、もう1つがどうしても奪えず、試合終了のホイッスルが吹かれると歓喜と絶望のシーンが生まれた――このときのテレビの放送は満点と言えるもので、サッカーという劇場のなかに留まり、その劇場のなかで生まれたドラマを余すところなく伝えていた。

皆さんがどうなのかは分からないけれど、私は、試合終了のホイッスルの直後にCMが入り、ビデオ再生とスタジオでのおしゃべりが流されると本当に腹立たしい気分になる。
選手たちがピッチを去るところ――あるいは場合によっては、ピッチに倒れこみ、その場で思考する、ドルトムントでの中田英寿のような姿――を見たいのだ(ところで、中田英寿は今もあの場所にいて、サニーサイドアップ(編集注:中田の所属事務所)がトレーに食事を乗せて運び、ブンデスリーガのチームが中田の邪魔にならないようにプレーしているという噂は本当なのだろうか?)。

繰り返すが、私は試合終了のホイッスルのあとのシーンが見たいのだ。選手たちのユニフォームの交換、ファンへの感謝、ファンの怒りから逃れるために走り去る姿…ここには、FIFAの会長のゼップ・プラッターがいつも言っている、サッカーの情熱と感動――しかも、戦いが終っているのに!――がある。
J1とJ2のプレーオフは、素晴らしいアイデアであり、長いシーズンの棹尾に味わう刺激だ。
それから、フェアプレーをした両チームを祝福したい(まあ、それなりに。第1戦ではアビスパが時間稼ぎをしたし、第2戦ではヴィッセルがそれを行なった。とくに、パク・カンジョがシューズの紐で演じた茶番は、間違いなくレッドカードに値するものだ)。

忠実で、騒々しいファンを持つアビスパがJ1からいなくなるのは寂しいが、ヴィッセルや他のチームの例を見てもわかるように、君たちはすぐに戻って来られるのだ。

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