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バルサ 〜完璧な勝者〜

2006/12/18(月)

12月15日・東京発:バルサで良かった。特にロナウジーニョがいて良かった。
木曜夜、雨の横浜スタジアムは素晴らしい一夜となった。
試合開始当初、私は少々不安だった。
というのも、6万2000人もの観衆が集まったスタジアムだったが、盛り上がりにイマイチ欠けていたからだ。
ハーフタイムに入っても、観衆はまるでシンフォニーオーケストラのコンサートに来たかのようにおとなしく、スタジアムは相変わらず静かなまま。
それが、試合終了のホイッスルが鳴った時、スタジアムはようやく“サッカースタジアムはこうあるべき”という姿になっていた。観客もやっと盛り上がり、バルセロナファンはプライドに満ち、バルセロナファンでない人々もバルセロナの素晴らしいプレーに感嘆しきりだった。

試合は、後半に入るとFIFAクラブワールドカップの準決勝というより、エキシビジョンマッチの様相を帯びてきていた。
バルセロナはメキシコからやってきた相手に華やかで、素早い攻撃をしかけ、完全に試合を支配した。
そんな中で生まれた最初のゴールは、ロナウジーニョのヒールパス、イニエスタの複雑なプレー、そして正確無比なグドヨンセンのフィニッシュ。それはもはやサッカーなどというものでなく、緑のカンバスに色とりどりのペイントで美しく仕上げた、芸術品のようなゴールだった。

私のお気に入りのラファエル・マルケスが2点目をヘッドで押し込み、まるで赤ん坊からキャンディーを奪うくらい簡単なヘディングシュートだったとでも言うかのように、親指を吸うセレブレーションポーズを見せた。
そして、3点目は多くの観衆のお目当てでもあったロナウジーニョ。
ルーズボールをペナルティエリアで拾い、冷静さとテクニックをもっていともたやすくボールにカーブをかけ、コーナーに決めた。
まさに個人技の極み。
そして、ゴールを目前にしていかに落ち着き、いかに集中するか、全選手のお手本となるプレーだった。

そして4点目。これ以上何を言うべきだろうか?
ペナルティエリアのわずかに外の混戦からボールを奪ったロナウジーニョから、パスを受けたデコが相手陣内コーナーまで素晴らしいドライブ。迅速をもってなるバルサのカウンター、そしてデコの教科書通りの素晴らしいドライブ力を見せ付けられた。
デコのプレーは本当に素晴らしかった。彼のボールコントロール能力と試合を見る目は、クラブ・アメリカのディフェンスを翻弄し続けた。

ロスタイム再びロナウジーニョが巧みなドリブルから放った絶品のチップシュートがクロスバーに当たるシーンがあったりと、試合はハイテンションのまま終了。
その頃には、観客は試合開始時の静寂から一転、惜しみない賞賛の拍手を選手に送ったのだった。
数年にわたりトヨタカップの試合を見てきたが、チームが観客に活力と情熱を与えることは容易なことではない。
ところが、バルサは素晴らしいサッカースタイルでそれをやってのけ、日曜日の決勝にむかって大会を盛り上げてくれた。
試合自体やゴール以外に強烈に私の印象に残ったのは、試合開始時と試合終了時の歓声の違い。
ピッチ内外を問わず、まさにバルサの完勝というべきだろう。

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