オシム・ジャパンに寄せる期待
11月18日発:ワールドカップへの大きな期待で始まった1年は、水曜夜に行なわれたサウジアラビア戦(3−1)の勝利で未来への大きな期待と共に締めくくられた。
日本の勝利を見て嬉しかったし、また、同時にホッとした。
というのも、オシム・ジャパンの未来形を垣間見られたからである。
就任してまだ間もないオシム監督だが、優れた若い選手たちを起用してきた。
そして、才能と知性にあふれた選手たちは監督の指示をよく聞き、こうも早く監督から学んでいることは喜ばしい限りだ。
サウジ戦の2ゴール目を例にとってみよう。
我那覇の精巧なヘッダーを生んだ、今野が右サイドから左足で上げたクロスは素晴らしいものだった。
左サイドに走りこんだ駒野からのクロスを冷静に決めた3点目もそう。我那覇は難しいプレーでも簡単に決めて見せる。
闘莉王のプレーも良かった。
素晴らしいチームリーダーで精神的支柱でもある彼のゴールにより、試合は日本ペースになった。
ただし、彼にPKを蹴らせたことには少々疑問が残る。
PKは彼の得意分野ではない。
闘莉王はゴールに詰め、昔ながらの泥にまみれながらディフェンスをこじ開けゴールを決めるタイプの選手。
PK???
彼には似合わない。
ところで、サウジアラビアにPKを与えたオーストラリア人の主審は、一体何を見ていたのだろう?
テレビのリプレイを見た私に言わせると、あれはまるでジョーク。
サウジの選手が勝手に転んだだけでは?
ひょっとすると、ワールドカップで試合終了間際にイタリアのグロッソにやられたオーストラリア人として主審は“フォワードが転んだらディフェンダーが無実でもPKを与える”という、かの主審の手本を真似たのかもしれない。
先にも述べたが、試合結果を見て私は非常に嬉しかったし、安心もした。
これは個人的な意見だが、オシム監督が引き受けた仕事の大変さを理解していない人が多すぎると思う。
ワールドカップで崩壊したチームを立て直すには、新しい手法、新しい方向等、あらゆるものが必要なのだ。
オシム監督はこれらをこなしてきた。今後は欧州組の中からチームに貢献できる選手を加える段階に入っていくが、チームの将来は非常にエキサイティングなものになるだろう。
強いチームを作るにはチームのバランスを崩してはならないことを、オシム監督はもちろん承知している。
しかし、監督が見せてきたJリーグでプレーする選手たちへの信頼は、ピッチ上でブルーのシャツをまとった成果、エネルギー、そして誇りとして報われるはずだ。
昨年の今頃、多くの人が日本代表に期待を寄せていたが、私はそこまで自信がもてなかった。
しかし今、私は日本代表への期待に胸を膨らませている。
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