それでも大事なサウジ戦
名古屋発・11月15日:日本とサウジアラビアの両国がすでに来年のアジアカップ本大会出場を決めているものの、水曜日の夜に札幌で行なわれる試合は、やはり重要な意味を持つと思う。
読者の皆さんがこのコラムを読んでいるときには、試合はすでに終わっており、その試合結果が、オシムの再建プロセスの第1段階が完了したことを示しているかもしれない。
この試合を重要視するのは、以下のような理由からだ。
もし、日本が素晴らしい内容でこのアジアの強豪に勝てば、オシムの方針が正しかったことになる。現在の選手の多くが、来年も、その先の将来も、代表に残るだろう。
しかし、内容がまずく、散々な結果ということになれば、オシムは、来年のための戦略そして選手選出ポリシーを見直さなければならなくなるだろう。
そうなれば、もちろん、ヨーロッパ組の出番だ。ヨーロッパ組のうちの数人――たとえば、中村と松井――を来年のアジアカップに招集することをオシムが考えているのは確かだ。そのため、来年の春に日本代表がヨーロッパで1つ2つ親善試合をするというのも悪くないアイデアである。
オシムが使ってきたJリーグの選手にとっても良い経験になるし、同時に、オシムにとっても、クラブでの活動と体内時計の妨げにならない方法でヨーロッパ組をチームに合流させるチャンスとなる。
サウジアラビア戦は無意味だという見方もあるが、こうした理由で私はその見解には賛同しない。今回の試合は、オシムの再建の第1段階の最後に行なう、きわめて重要なテスト。私はそう思っている。
個人的な意見としては、ジュビロの前田が選ばれたのが良かった。前田はいつも激しく速いプレーをしているし、非常に創造性豊か。走りながら直接的な動きをしている。タイプとしては、得点のチャンスがやってきたときに、躊躇せず自分を疑うこともしない選手のように見える。
言い換えると、あまり考えすぎないのだ。考えすぎは、フォワードにとって厄介なものになることがあるが、前田は体の動くままにプレーしているようだ。
これを読んでいる今、皆さんは日本対サウジ戦の結果を知っているだろうけれど、現在の私は、日本が見事なプレーを見せ、2006年ワールドカップ後の再建活動の第1段階が成功裏に完了したことを示してくれるだろう、と感じている。
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