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なぜジェフが責めを負う?

2006/11/06(月)

東京発(11月4日):まずは、ナビスコカップ連覇を果たしたジェフ千葉におめでとうと言いたい。
正直なところ、ホームで大宮アルディージャに惨敗したのを見て、彼らが連覇するなんて思ってもみなかった。
しかし、水野と、Jリーグ最高のヘッダー(ヘディングの名手)であることを改めて証明してみせた阿部主将のゴールで鹿島アントラーズを粉砕したのだ。

ナビスコカップ決勝の日の朝、ある日本人サッカーライターと話をしたのだが、ジェフに対するメディアの評価が二分されていることを知りとても驚いた。
わかりやすく言うと、ある新聞はオシム体制を嫌っており、日本代表もジェフも失敗すれば良いとさえ思っている。
そしてもう一方は、ジーコ監督の後を引き継いだ彼を100%サポートするとまではいかなくとも、静かに見守っているというのだ。
ジェフがこれまで誰かに対して何をしたというわけでもないし、こうした状態はあまりに不可解だ。

もちろん、ある人々(主に浦和近辺に住み、赤や黒のシャツを着ている)がリーグを引っ張ってきた鹿島アントラーズやジュビロ磐田を嫌うのは理解できる。それは、多くのイングランド人がマンチェスター・ユナイテッドやリバプールを嫌うのと同じだ。
しかしなぜジェフ千葉を?

数あるクラブの中で、私はジェフを評価していることを隠そうとしていない。それにはいくつかの理由がある。
まず、地域に根付いたフレンドリーなクラブであるということ。
リーグの中での地位に関していうと、財政的には苦しいなかで運営されてきているということ。
経営陣のトップはとてもうまいことクラブを運営してきたし、ファンはチームの成績の良し悪しに関わらずサポートしてくれる。
そして、才能ある日本人選手を育ててきている。

ひょっとすると、オシム監督は日本代表に彼の教え子を多く選びすぎたのかもしれない。
しかしこれは、あくまで必要とされるポジションに他の選手たちが現れるまでの一時的なものだ。
よく知るジェフの選手たちは、オシムにとって信用できる存在なのだ。また同時に、選手たちも監督が求めるものを熟知している。
そう、だから、(ジェフの選手が多く選ばれるのは)現時点では仕方の無いことだと思う。

ただし、巻、阿部、水本、そしておそらく羽生は、オシム監督が率いる限り代表に定着するだろう。彼らはオシム監督の愛する“日本人選手としての特徴”を持っている。
仮にオシム監督が本当にジェフを偏重しているのなら、ジェフで最も過小評価されている選手、斎藤大輔を選んでいただろう。
私は密かに、斎藤を“プロフェッサー”と呼んでいる。彼はディフェンスの何たるやをよく知っており、水本にとって理想的な教師でもあるのだ。

ジェフ千葉を批判するようなナンセンスは、もう十分だろう。
1997年のバブル崩壊以来、彼らはJリーグで大きな成功を収めてきた。
オシム監督は、時に日本のメディアに対し無礼な振る舞いをしているかもしれない。
そう、あのトルシエ監督がそうだったように。
穏やかなジーコ監督とスターを集めた代表チームを懐かしんでいるメディアも多いのかもしれない。
しかし、それにしたってジェフを責めるのはお門(おかど)違いというものだ。

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