シュンスーキ、再び!
う〜ん、中村俊輔をほめたたえる表現はまだ残っているのだろうか?
かつてのマリノスのマジシャンが、セルティックのメンバーとしてまたもやってのけた。舞台は、火曜夜(日本では水曜早朝)にグラスゴーで行なわれた欧州チャンピオンズリーグのグループリーグ。相手はマンチェスター・ユナイテッドだ。
数週間前にオールド・トラフォードで見せたフリーキックもなかなか良かったが、今回のは美しかった。私が見てきた俊輔のゴールのなかでも最高のものの1つ。だが、フランスのコンフェデーレーションズカップでバルテスのゴールを破ったフリーキックにはまだ及ばないか…。
フランスでのフリーキックは、彼にとっては「ありえない方向」のゴール。ゴールの左に蹴りこんだのだ。しかし、今度のマンチェスター・U戦の宝石のようなフリーキックは、ゴールの右側――左利きの選手には、ずっと狙いやすいアングル――からのものだった。
ゴール前約25メートルの距離から俊輔が蹴った、完璧なフリーキックのボールは壁の上――それもはるか上――を越えてから急速に沈み、クロスバーの下をくぐってゴール上隅に。キーパーにはまったくお手上げの一本だ。
ゴールが決まった状況も申し分がなかった。全世界に多くのファンを持つ、2つのビッグ・クラブが戦った、いわゆる「ブリテンの戦い」の第2幕の81分に記録されたのである。
英語の実況は、日本の視聴者にとっては「生のサッカー英語」についての興味深いレッスンとなっただろう。早朝の放送中(俊輔のゴールが決まったのは、日本時間の午前6時25分頃)私がピックアップしたフレーズをいくつか紹介しよう。
「絶対的な完璧さ」とは、アナリストのデイビッド・プリートの弁。彼はまた、俊輔のゴールを、「ワンダフル・ゴール」そして「途方もないスキルが垣間見られた」と表現した。
プリートは、専門的な分析をしたり、プレーの合間に会話を繋いだりする実況チームの「キャスター」だが、解説者は同じゴールについて、「息を呑むようなゴール」「魔法の瞬間」と語った。
それから数分後、セルティックの1点リードのなか俊輔が交代でピッチを去るとき、解説者は「驚愕のゴールに対するスタンディング・オベーション」について話した。
ワンダフル、息を呑む、驚愕…冒頭で述べたように、俊輔のフリーキックを表現する英語はもうそう多くは残っていない。
私は、セルティックの勝利は正当なものだと思った。というのも、オールド・トラフォードでの第1戦でのPKは、ユナイテッド(これはマンチェスター・Uのこと。ニューカッスルでも、リーズでも、ジェフでもないし、他のあらゆるユナイテッドでもない。そもそも、不遜なマンチェ・ファンはそんなユナイテッドは相手にしない)に与えられるべきものではなかったからだ。
ちなみに、あのときはGKボルツがギグスにファウルを犯したと宣告された。今回、ボルツがリベンジを果たした。試合終了直前にサアのPKをセーブしたのだが、サアのゴールが決まるようにはまったく見えなかったでしょう。どういうわけか自分でもわからないのだが、私はいつも、「左利きの選手はPKを外す」と思ってしまう。サアは闘莉王に教えてもらったほうが良いのかもしれないね!
もちろん、右に跳んでサアのシュートを掻き出そうとしたとき、ボルツはゴールラインのずっと前にいたが、審判/線審が勇気を出してこの行為を違反だと断じたことが、完璧にラインから離れているときでも、どれくらいあるだろうか?
何はともあれ、中村がグラスゴーでの素晴らしい一夜を経験した。少し前に書いたように、スペイン・リーガエスパニョーラに挑んでおそらくベンチ暮らしをするよりも、セルティックに残留したこの決断は正解だ。
問題は…テレビの解説者が「シュンスケ(シュンスキ)」という発音をいつ学ぶかである。「シュンスーキ」という「スー」を強調した言い方ではなくて。
選手やファンについては心配はいらない。みんな、シンプルに「ナカ」と呼んでいるからね!
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