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シンガポールでの話題は、日本人選手より韓国人選手

2006/10/05(木)

イングランド・サッカー中毒になりたいのなら、アジアではシンガポールに勝る地はない。
日本もなかなか良いが、時差がシンガポールより1時間早いため、東南アジアで観るほうががイングランドの試合開始時間に合わせやすい。また、シンガポールの英字新聞には、イングランド・プレミアリーグ(現地では「EPL」と呼ばれている)の記事やニュースが満載。私としては、悪いけれど「プレミアリーグ」という名称にこだわりたいと思う。「EPL」というのはあまりにもブランドっぽくて、サッカーファンではなく、マーケティング人種が使う用語のように聞こえるからだ。

私は、シンガポールでの長いウィークエンドから戻ったばかり。シンガポールでの会話の中心は、「イングランドではなぜ韓国人選手のほうが日本人選手より成功しているのか?」ということだった。
良い質問だし、議論のための格好の話題だ。以下は私の対応。
総じて言えば、韓国人選手の方がフィジカルが強く、当たりの激しいプレーをするので、速いテンポの試合にも日本人より長時間対応できる。
韓国人選手の方が技術的に優れているとは思わないが、イングランドのプレースタイルに適しているのは確かである。韓国人選手は一心不乱にプレーし、ひたすら走り続けるが、ヨーロッパに渡った日本人選手はどちらかというとファンタジスタタイプ。イタリアのような技術的で、展開の遅いリーグのほうが生き残れる可能性が高い。
これが、マンチェスター・ユナイテッド、レディングそしてトットナムにおける、ここ数週間/数ヶ月のパク・チソン、ソル・ギヒョン、イ・ヨンピョらを見たうえでの私の評価だ。

一方、アン・ジョンファンの例も考えてみよう。上記の3人と比較しても、明らかに彼のほうが天分に恵まれているし、華やかさもあるのだが、ヨーロッパでは悲惨な結果となっている。
アンは、ビッグクラブとは言えないペルージャでも活躍することができなかった。言うまでもなく、ペルージャは中田英寿がズバ抜けた活躍をし、巨額の金が動いたローマ移籍への基礎を築いたクラブである。ペルージャ以降も、アンはフランスそしてドイツで苦戦。彼が成功した唯一の外国は、日本である。彼のプレースタイルは、技術的なプレーが多い、この国のスタイルに合っているのだろう。

私は今でも、日本人選手はイングランドで成功できると考えている。たとえば、加地のような選手なら成功するかもしれない。
もっとも、しばらくの間、シンガポールのサッカーファンの話題の中心は日本人選手ではなく韓国人選手ということになるのだろう。それはそれで、仕方のないことではある。

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