« シンガポールでの話題は、日本人選手より韓国人選手 | トップページ | ファンタジスタには早すぎる »

日本に未来像を垣間見せてくれたガーナ

2006/10/10(火)

東京(10月7日)発:イビチャ・オシム監督は、まだ若い彼の日本代表チームに厳しい試練を課したかった。
そして、ガーナ戦はまさに彼の望むとおりのものだった。
キックオフの瞬間から、私はブラックスターズ(ガーナ代表の愛称)のスピード、パワー、チームワーク、そして彼らの自信に感心させられた。
さらに、試合が進むにつれ彼らはますます強くなり、後半早々に試合を完璧に支配してしまった。

ガーナにとってこの試合は当然の結果。誰もが勝利を当たりまえこととして受け止めるだろう。
まばたきをするヒマもない間に決まったゴールは、両チームの違いを如実に表していた。
日本はこのレベルでのプレーをまだ学んでいる状態。一方のガーナは「試合経験」として語るなら、日本の数段階上を走っている。
こういう状況では、試合が引き分けに終わっても日本にとっては十分な結果だろうと思っていた。

結局、日本代表は0−1で敗れたわけだが、新生日本代表の印象は悲観するには程遠いものだった。
特に、水本、山岸はこの試合が代表デビュー戦だったし、阿部や今野らが違うポジションについていたことを考えると、概して日本はこの厳しい試験によく立ち向かっていたと思う。
とは言え、この試合で明らかになったことがある。相手を圧倒しようとするなら、日本はこぼれ球を拾わなければならない。これは絶対条件だ。
日本の選手がタックルを受け、もしくは相手選手がタックルを受けボールがこぼれた時には、他の日本人選手が正しいポジショニングでボールをキープしなくてはならない。

こうした並々ならぬペースで試合が進む場合、適切なファーストタッチ、自分の周りで何が起こっているのか的確に把握することが必要とされる。それらがあって初めて、ピッチ上でのリズムと弾みが生まれるのだ。
代表チームはまだこのレベルには達していないが、これはオシム監督が起用した選手の数から考えても仕方の無いことだろう。
しかし、新監督の下でベストメンバーが固定され彼らの動きがもっと自然にそしてシステム化されてくれば、自然とそうなっていくだろう。

ガーナ戦、後半のある時点ではまるで大人対少年の試合を見ているようだった。
そう、青いユニフォームを着た少年たちだ!
しかし決して日本がまったくレベル的に劣っているということではない。
彼らは肉弾戦にも十分準備してきたことを見せつけたし、ペースを読み、判断しながら前線への押し上げを見せた。
試合終了間際になり播戸が同点に追いつくチャンスを得たが、右足を的確にボールに当てることができず、シュートはサイドへ外れた。
ただ、シュートを外した彼の怒りのこもったリアクションを見たオシム監督は、必ず彼にまたチャンスを与えてくれるはずだ。

固定リンク | | コメント (0)

コメント

この記事へのコメントは終了しました。