東京発(10月28日):デビッド・ベッカムの去就が決まらない。
あのデビッド・ベッカムがベンチに座っている。
そして彼はスペインを離れたがっている。
ベッカム家――あるいは“ベッキンガム宮殿”(イングランドでは、女王の住居であるバッキンガム宮殿に倣ってこう呼ぶ)――の生活は、決して退屈ではない。
デビッドは彼のローラーコースターのようなサッカー人生の最後の挑戦として、おそらく移籍したいのではないだろうか。
となると、Jリーグのどこかのクラブが勇猛果敢なキング・デビッド獲得に動いたりはしないのだろうか。
いや、そうあってもらいたいと思っている。
彼が欲しいなら、今がそのタイミング。
ベッカムの契約がまとまっていない。
チームは新しい外国人選手が欲しい。
そして“ポッシュ・スパイス”(ビクトリア夫人)にとって日本のメディアからの注目は望むところ。
そう、すべてに納得がいくのだ。
だから日産よ、トヨタよ、いや三木谷さんでもいい。
マリノスとグランパスは戦力補強が必要だし、資金力に問題はない。
一方、神戸は単にJ1復帰だけでなく、満員のスタジアムを取り戻せるのだ。
獲得して悲惨な結果を味わった2002年ワールドカップのトルコ代表の補欠選手と違い、デビッド・ベッカムなら支払った以上のものをチームにもたらしてくれる。
何よりも、ベッカムはサッカーを愛している。そしてサッカーの親善大使でもある。
子どもにとってはお手本となり、ファンにとってはまさにアイドル。
スタジアムへ押し寄せる観客数はうなぎ昇り。世界中のサッカーファンの目が日本へ向かうことに疑いはない。
個人的には、イングランド代表のスティーブ・マクラレン新監督がベッカムをこんなにもあっさり代表チームから外してしまったのは大きな間違いだと考えている。
イングランドはともかく、ベッカムにとってはまずまずのワールドカップだったと思うし、彼はまだまだ代表チームに貢献できるはずだ。
何を言いだすのだと思う方もいるだろうが、日本のチームが真剣にベッカムの獲得を考えても良いのではないだろうか。
ベッカムがアメリカのメジャーリーグサッカーでキャリアを終えるかもしれないなどという報道さえあるのだ。
もし彼がそう考えているとすれば、当然、日本でプレーすることだって考えるはず。
ベッカム獲得には相当な費用がかかるだろう。
しかし、これまでにJリーグのクラブが3流のブラジル選手に支払ってきた金額を考えてみると良い。
Jリーグのクラブよ、ベッカムを獲れ!
決して夢なんかじゃない!