小笠原のような野沢のゴール
先週末のJリーグには、なかなか見事なシュートがいくつかあった。
レッズでは、闘莉王が美しいゴールを決めた。左サイドから切れ込み(一体全体、彼はあんな所で何をしていたのだろう?)、右足で巻いたボールがファーポストに突き刺さった。安貞桓(アン・ジョンファン)がよく見せるシュートで、「闘莉王を日本代表の新キャプテンに!」という私のキャンペーンを勢いづかせるようなシュートだった。
そのシュートは、夕方にテレビで観た。というのも、日中は国立競技場に、清水エスパルスが驚異的な無敗記録を更新するのを観に行っていたのである。鹿島戦のキックオフ前に、私はすでに頭の中でコラムを書き上げていた。それは情熱的なコラムで、新鮮で、魅力的で、気迫に満ちたチームを作り上げた(長谷川)健太(監督)を賛美するもの…。
案の定、エスパルスは負けた。
ただし、この試合でもファインゴールが見られた。
野沢拓也のゴールだ。野沢はアントラーズのスタッフからはこれまでずっと高い評価を受けてきたが、すでに25歳。いまだにJリーグでアピールするのに躍起になっている。
土曜日のエスパルス戦でのゴールは、鋭いボールタッチ、広い視野、優れたテクニックを持っている選手にしかできないものだった。離れたところから西部のポジショニングを見定めて打った、ゴール前30mからの右足のシュートは、GKの頭上を越え、クロスバーの下を通った。西部はボールに触れたものの、ボールの軌道を変えるまでには至らなかった。まさに賞賛に値する、野沢のワンダフルゴールだった。
あまりにも素晴らしいシュート。そう、まるで小笠原のように。
アントラーズの前キャプテンがメッシーナに1年の期限付き移籍をしている今は、野沢にとってはレベルアップをはかり、小笠原との創造性の差を埋める絶好のチャンスである。
「テクニックは、最高レベルにある」。土曜日の試合後、アントラーズのパウロ・アウトゥオリ監督は野沢についてそう語った。
「しかし、もっとアピールしなければいけないし、さらに効果的に得点に貢献しないとね」。
「小笠原はピッチの上でもっと頭を使っていたが、野沢はボールを持っていてもいなくても機動性がある。これからが楽しみな選手だ」。
私はこのブラジル人監督に、小笠原は代表に復帰するかどうかたずねた。
「そう思いたいね」とアウトゥオリ。「小笠原がミスター・オシムの望むようなプレーをすれば、代表に復帰できるだろう。彼はミスター・オシムが何を求めているかを知っているし、メッシーナでそれをアピールすることができる」。
つまり、パウロ・アウトゥオリによれば、小笠原はすべてを失ったわけではないし、それは鹿島も同じことなのだ。アントラーズは現在5位。残り11試合で勝点10上回るガンバを追いかけている。
アウトゥオリは言う。「残り全試合に勝たなければならないし、ミスは1つも許されない」。
土曜のような見事なゴールを野沢がもう少し見せれば、チームにも弾みがつくだろう。
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