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楽しみなビドゥカのアジア杯参戦

2006/09/14(木)

オーストラリアのアジアサッカー連盟への加盟は、この地域のサッカー振興という観点から見れば願ってもないことである。端的に言えば、クラブレベルでも代表レベルでも、オーストラリアが倒すべき目標になったのだ。
オーストラリアは先のワールドカップですでにその実力を証明している。日本を破り、セカンドラウンド1回戦(ベスト16)ではイタリアと対戦。終了間際に主審が不可解な判定でイタリアにPK与えたため、惜敗した。

最近入ったニュースによると、マーク・ビドゥカが今後もサッカールー(オーストラリア代表の愛称)でプレーする意向を表明しており、日本が3大会連続の大陸チャンピオンの座を狙う、来夏のアジアカップ本大会でプレーするそうだ。
ビドゥカはワールドカップ後に代表チームから身を引くとみられていたが、気力がまだ衰えていないことは明らかだ。
ビドゥカだけでなく、ひょっとすると、ハリー・キューエル、ティム・ケーヒル、ルーカス・ニールといった中心選手たちがプレーすれば、世界のサッカー界からのアジア大会への注目は否が応でも高まるだろう。また、日本や韓国、イラン、サウジアラビアといったアジアの列強にとっても、アジア大会での優勝は大きな勲章となる。

2000年のレバノン大会、2004年の中国大会では、日本はアジアのトップにあることを立証したが、オーストラリアがいる今度の大会は、日本にとって過去2回の大会よりずっと厳しい戦いになるはずだ。
もちろん、それまでには日本代表もイビチャ・オシムの指揮下でかなり多くの試合をこなしているはずで、チームも形ができ、勝つためにすべきことを正確に把握できていることだろう。
オシムとJFA(日本サッカー協会)にとっては、トルシエによるチーム再構築の途上に行なわれた2000年大会同様、今回のアジアカップは2010年ワールドカップに向けての大きな試金石となる。

オシムが、ヨーロッパでプレーしている選手、とくに中村俊輔を使うつもりがあるのなら、アジアカップはその絶好の機会だ。日本は、インドやイエメンといったJ2レベルのチームが含まれていたグループリーグの突破を決めたが、アジアカップの本大会はレベルがまったく違うのだ。
オシムは、何が何でもタイトルを獲りたいと考えるのだろうか? それとも、さらに大きな目標である2010年ワールドカップまで続く、チーム構築過程の一段階に過ぎないと考えるのか?
それを判断するのはまだ早すぎるが、私としては、オシムはヨーロッパの選手を招集して一からやり直すよりは、いま使っている選手たちを今後も使い続けるものと思いたい。
オシムはJリーグの選手の実力を信じ、自分の見る目を信じ、そして、新生日本代表の構築はそこが出発点であると信じているのだと思う。
このようなさまざまな事情が、来年のアジアカップでの日本対オーストラリア戦をとても魅力的なものにしている。

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